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» 2019年11月18日 15時25分 公開

3D画像、触覚、音を空中に同時生成 超音波ディスプレイ、東京理科大など開発

視覚、聴覚、触覚の3つの感覚に訴える超音波ディスプレイを、東京理科大などが開発した。

[山下裕毅,ITmedia]

 英サセックス大学と東京理科大学の研究チームは、超音波を用いて、触覚と音と映像を同時に空中で生み出すディスプレイ「Multimodal Acoustic Trap Display」(MATD)を発表した。

photo MATD

 MATDは、超音波を用いて3次元コンテンツを空中に提示可能なシステム。さまざまな形状・色合いのコンテンツを表示でき、位置を移動させることも可能。どの角度から見ても裸眼で目視できる。表示されているものに手を伸ばせば感触を得られる触覚フィードバックに加え、可聴域の音も生成。視覚、触覚、聴覚の3つを同時に刺激できる。

photo ヒラヒラと舞う3Dの蝶
photo 立体の「地球」に両手で触れることができる

 2台の「超音波フェーズドアレイ」が発する超音波で粒子を空中浮遊させ、3原色(RGB)の光を照射する。浮遊させる粒子は、直径2ミリ程度のポリスチレンビーズ(枕に入っているビーズのようなもの)を使用し、これらを3次元の音場で高速かつ自在に動かす。

photo MATDの仕組み

 従来の超音波による空中浮遊では、ある安定点から別の安定点へと動かすとき、途中で計算のために止まりながら、比較的ゆっくり移動する方式(ストップスタート方式)を採用していた。

 これに対し、MATDは新しい目標点を移動しながら計算し、停止する前に目標点を決定することで滑らかな動きを実現。垂直方向に最大で毎秒8.75メートル、水平方向に毎秒3.75メートルの速度で動かせる。これまで実証された他の光学的、音響的アプローチよりも優れた粒子操作が可能という。この優れた粒子操作性により、人の目の残像効果よりも速く粒子を動かすことができるようになり、3次元像を再現できるようになった。

 加えて、超音波による触覚フィードバックと音を組み合わせて同時に出すことで、現実感をより高めるという。超音波を生成するスピーカーは、ナレーションや音楽のような普通の音も再生できる。デモ映像でも、数字のカウントダウン部分で「Three, two, one, zero」という音を確認できる。

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