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立教大とビズリーチ、AI研究で提携 ビッグデータをもとに「個人のキャリア観」を解析

» 2020年04月27日 07時00分 公開
[ITmedia]

 立教大学大学院 人工知能科学研究科と、転職サービスを運営するビズリーチは4月27日、AI研究で提携すると発表した。AIの社会実装を目的に、産学連携での共同研究や人材交流などを行う。取り組みの第1弾として、個人のキャリアに関する価値観をAIで解析する共同研究を30日に始める。

 初回の共同研究では、ビズリーチが持つビッグデータなどを活用。個人がキャリア選択の際に重視する指標について、AIで解析する。解析の対象となるのは、仕事のやりがいや社風など、これまで数値化が難しかった項目だ。

 年収、職種、勤務条件などの定量的な指標だけでなく、定性的な指標が転職先選びにどの程度影響するかを分析することで、転職サービスの質を高めるとしている。

 共同研究ではまず、立教大がディープラーニングなどの手法で実験を行い、理論の骨子を作成。次に、立教大が提案した理論や実験手法を基に、ビズリーチが匿名化した会員データを使って実験を行い、結果を可視化する。その後、両者でフィードバックを行い、学習モデルの改善などを繰り返し、早期の実用化を目指すとしている。

 AIに学習させるデータは、誰でもアクセスできる公開情報や、ビズリーチの会員データを参考に作成したダミーデータを活用し、個人情報を含むデータの受け渡しは行わないという。

 ビズリーチ執行役員の枝廣憲CSO(Chief Strategy Officer)は、「人材業界にもAIの波が来ており、立教大と協力し、これまでの延長線上にない取り組みをしていきたい」と意気込む。

 立教大学大学院 人工知能科学研究科委員長の内山泰伸氏は、「人工知能科学研究科の特徴は、ベンチャー企業のような組織であること。基礎研究の世界とビジネスの世界をシームレスにつなげることを目標の一つにし、積極的に産学連携を進める」としている。

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