東京大学・松尾豊研究室発のAIベンチャーELYZA(イライザ/東京都文京区)は8月26日、文章の要約文を生成するAI「ELYZA DIGEST」を試せるデモサイトを公開した。人間より短時間で要約でき、要約の正確性は「人間に匹敵する」という。今後も精度を高め、議事録作りやコールセンターでの対話メモ作成などでの活用を目指す。
同社は自然言語処理技術(NLP)の研究を進めており、日本語テキストデータの学習量・モデルの大きさともに日本最大級というAIエンジン「ELYZA Brain」を開発している。
ELYZA DIGESTは、大規模言語モデルを基に、要約というタスクに特化したAIとして開発。読み込んだテキストを基に、AIが一から要約文を生成する「生成型」モデルで、文の一部を抜き出す「抽出型」モデルなどと異なり、文の構造が崩れていたり、話者が多数いる会話文だったりしても、精度の高い要約文を生成できるという。
社内検証で、平均約900文字のテキストを使って人間とELYZA DIGESTの要約を比較したところ、人間は1記事当たり約5分かかったが、ELYZA DIGESTは約10秒で終わらせた。原文通りの意味で生成できる「正確性」は、人間とELYZA DIGESTが同等。ただ、原文で省略された主語を補完したり、文法に合った文章にしたりする「流暢性」では人間よりミスが多かった。
同社は「日常・ビジネスの場でよく発生する『要約』という問題に特化した」AIとして開発したと説明。今後も精度を高め、ビジネスの現場での活用を目指す。
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