この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「[速報]AWS、ARMベースの独自プロセッサを強化した「Graviton 3」および新インスタンス「C7gインスタンス」発表。AWS re:Invent 2021」(2021年12月1日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon Web Servicesは、同社がクラウド向けに開発しているArmプロセッサの新型「Graviton 3」と、その搭載インスタンスである「C7gインスタンス」を、開催中のイベント「AWS re:Invent 2021」で発表しました。
Gravitonプロセッサは、AWSが2015年に買収したASICベンダであるイスラエルのAnnapurna Labsが、クラウドで用いることを前提としたArmベースのプロセッサとして設計と製造を行い、18年に初めて発表されました。
参考:[速報]AWSがARMプロセッサ「AWS Graviton Processor」を開発。搭載した「Amazon EC2 A1 インスタンス」発表。AWS re:Invent 2018
19年には第二世代となる「Graviton 2」を発表。初代と比較してコア数で4倍、メモリの速度で5倍、全体として 7倍の性能向上を実現し、x86世代のインスタンスと比較して40%の価格性能比があると説明。
このGravitonプロセッサによってサーバの価格性能比をAWS自身で改善していく姿勢を明確にします。
参考:[速報]AWS、自身でプロセッサを開発していく姿勢を明らかに。独自開発の第二世代ARMプロセッサ「Graviton 2」発表。AWS re:Invent 2019
そしてGraviton 2プロセッサを「Amazon ElastiCache」のデフォルトプロセッサに設定、さらにデータベースサービスの「Amazon Aurora」でもGraviton 2ベースでのサービスを正式に開始するなど、積極的に自社のマネージドサービスに採用していきます。
マネージドサービスの基盤としてGraviton 2プロセッサを採用することで、ユーザーにはプロセッサの変更を気にすることなく、Graviton 2の持つ高い価格性能比をサービス価格に反映させることができるわけです。
そして今回発表されたGraviton 3プロセッサは、Graviton 2と比較して浮動小数点演算で2倍、機械学習で3倍の能力を備え、最大で60%の電力消費量削減を実現したとのことです。
これによりAWSはさらに価格性能比の高いサービスを提供できることになると見られます。
同時に、Graviton 3を採用したC7gインスタンスも発表されました。
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