ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >
STUDIO PRO

ソニー、宇多田ヒカルのライブを“立体音響”で無料配信 1万人限定で

» 2022年12月22日 19時50分 公開
[ITmedia]

 ソニーは12月22日、空間オーディオ技術「360 Reality Audio」の対応範囲を拡大し、フルオブジェクトベースの立体音響技術によるライブのリアルタイム配信を実現したと発表した。同技術を使用したライブ配信第1弾として、2023年1月19日に開催予定の宇多田ヒカルによる配信イベント「40代はいろいろ」を実施。抽選1万人限定で無料配信するという。

配信イベント「40代はいろいろ」

 同社は、リアルタイムで立体音響を配信するための制作ツールを新たに開発し、サウンドエンジニアの制作環境を整備。同ツールにより、エンジニアは音源を自由かつ即座に配置でき、意図した通りの立体感のある音作りを実現できるという。

 また、位置情報を含めた音声データを高品質にエンコードする際にかかる処理時間を短縮すべく、独自の音質処理アルゴリズムを開発。360 Reality Audioがオブジェクトベースのりたち音響技術である点を生かし、各音源に与えられるビットレートを自動的に最適化することで、聴覚上の品質を損なわずに短時間で音声データの圧縮と、映像と同期したリアルタイムでの配信を可能にしたという。

 視聴には、360 Reality Audioをリアルタイムで楽しむのためのアプリ「360 Reality Audio Live」を、米Streamsoftと開発。アプリとヘッドフォンを使うだけで立体音響を体験できるという。ヘッドフォンはメーカーを問わず利用できる他、ソニーやオーディオテクニカが販売する360 Reality Audio認定ヘッドフォンであれば、個人最適化機能を活用して、よりリアルな臨場感を体験できるという。

 今後は、音楽業界の関係者と連携しながら、360 Reality Audioによるライブのリアルタイム配信の事業化を推進。立体的な音楽体験が可能な配信サービスの拡大を図るとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.