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ChatGPTに「課金」の誤用を説明させると? ……AIは“俗用”を理解できるか(2/2 ページ)

» 2023年02月08日 16時00分 公開
[谷井将人ITmedia]
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回答 「ゲームに課金した」という文章は、文法的には正しい表現ですが、一般的な表現としては「ゲームで課金した」の方が適切です。「課金する」は「支払う」という意味で、「ゲームに支払う」という表現は不自然です。「ゲームで」という表現は、「ゲームの中で」という意味になり、「課金する」という行為がゲームの一部であることを示すことができます。

俗用も広まれば正しく見える

 ChatGPTは「ゲームに課金した」という文章に文法ミスはないと判断したようだ。助詞を「で」にした方がいいという指摘をしている。実際、これを言っているのがゲーム事業者側なら問題はない。

 「課金する」という動詞は「金銭の支払いを課す」という意味なので、主語には支払う側ではなく支払わせる側が付くのが正しい。ゲームでいうなら、課金するのはプレイヤーではなく提供する企業だ。

 「課税」は「税を課す」という意味で、主語は税を払う側ではない。これとあわせて考えれば分かりやすいだろう。

 しかし、近年ではプレイヤーがゲーム内アイテムを購入するために金を払うことを「課金」という俗用もかなり普及している。ゲームの話題も多いTwitterで検索すれば俗用の用法ばかりが目に入るだろう。ゲーム運営者よりゲームプレイヤーの方が多いことも考えれば、俗用の方が多く使われるのも自然といえる。

 AIは世にある文章を大量に学習している。本来の用法より俗用が多いなら、そちらに引っ張られる可能性も十分あり得る。

 なお、「課金の本来の意味は?」と尋ねても「『課金』とは、コンテンツサービスを利用するために必要な料金を支払うことを指します」と答えた。

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