生成AIは使う人によって効果が激変するため、利点と欠点の考慮が必要――と語るのは、ITmedia主催のオンラインイベント「デジタル戦略EXPO」(7月9〜28日)に登壇する、強化学習や生成AIが専門の今井翔太氏(元・東京大学松尾研究室)だ。
現在、PCやスマートフォンなどのエッジデバイスで生成AIを動かす「オンデバイスAI」の開発が活況だ。2024年5月には米Googleと米Microsoft、6月には米AppleがオンデバイスAIを相次いで発表。今井氏は「研究者内では、数年以内に現在の『GPT-4』と同性能のAIがエッジデバイスで動くようになると予想されている」と話す。
こうした進化が目覚ましい生成AIの恩恵を受けようと、活用に踏み出す企業は多い。しかし活用が順調に進んでいる企業は少なく、生産性の向上や事業の拡大には生成AIの正しい理解が重要だ。
最先端の生成AIでは何ができ、企業はどう活用できるのか。今井氏の講演の内容を一部先んじてお届けする。
現在、生成AIで何ができるのだろうか。代表的なものとして、今井氏は以下のように説明する。
このような特徴を踏まえた、企業の生成AI活用例としては、従業員の業務支援が挙げられる。「書類の作成やコーディング作業の補助を行った場合、業務時間を削減しながら生産性が2倍になった研究結果もある」と今井氏は説明する。
テキスト生成をプライベートデータソースまたは独自のデータソースから補完するRAG(Retrieval Augmented Generation)により、ユーザーからの問い合わせに人間らしい自然な会話で適切な回答をするチャットbotやカスタマーサービスの対応にも生成AIは有用だ。
では、企業が生成AIを活用する際のポイントは何だろうか。今井氏は「利点と欠点を考慮した上で、ビジネスに適用することが有効」との見方を示す。
「生成AIで『どんな人でも素晴らしいコンテンツを生み出せるようになった』は、半分合っていて半分間違い。むしろ言語入力に基づく生成AIは、人によって効果が激変する」
生成AIの価値を最大限に発揮するために念頭に置くべき利点と欠点、そして企業が取るべきアクションとは。そして未来における生成AIのあるべき姿とは――詳細が気になる方は今井氏の講演をチェックしてはいかがだろうか。
今井翔太氏が登壇するイベント「ITmedia デジタル戦略EXPO」をこちらから無料でご視聴いただけます。
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