山梨県警は厳しい暑さの中で現場対応する警察官の熱中症対策の一環として、冷却ベストの試験運用を始めた。ファンを使って冷やすタイプと、半導体熱電素子の一種であるペルチェ素子を使ったタイプの2種を用意し、交番や駐在所勤務の警察官らに着用させ、効果の確認と同時に課題を洗い出し、将来的な導入に向けて取り組む。
「夏場の交通整理などでは使うと楽になる。冷却ベストはあった方がいい」
7月3日、報道陣に運用状況を公開した。ファンを使う冷却ベストを着用した甲府警察署地域課で交番勤務の警察官は、汗でぬれた体や制服を乾かすことで快適となり、大きな効果があると話す。
県警は、昨年から首元を冷やすネックリングや、サングラスの着用などを認めるなどの暑熱対策を始めた。現場ヒアリングでは、圧倒的に冷却ベスト使用の要望が多く、今年からファン式20着、ペルチェ式20着を県警で用意し、各警察署に配備し、現場で試験運用を始めた。
冷却ベストは制服と防刃ベストの間に着用する。ファン式は暑さ対策に効果があるが、もともと防刃ベストが重い中で、ファン用のバッテリーで、さらに重さを感じる点が課題だという。一方ペルチェ式は「軽くて動きやすい」と着用した警察官は歓迎する。
県警本部警務部の坂本幸也企画室長は「9月末まで試験運用する予定。参院選での要人警護や交通事故の現場保全などで使い、現場の意見を集めて(本格採用に向けて)検討していく」と説明した。(平尾孝)
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