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証券口座乗っ取り 大手4社が原状回復措置 みずほ証券は全額補償検討

» 2025年07月07日 13時33分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 証券会社の顧客口座が不正アクセスで乗っ取られ株式を勝手に売買された問題で、野村証券など対面証券大手4社は、不正に売買された株式などを被害に遭う前の状況に戻す原状回復措置を実施する方針を固めた。このほか、みずほ証券は全額補償を視野に検討を進めている。個人投資家の不安を和らげようと、5社は積極的な補償に乗り出した。

photo 証券会社を名乗るフィッシングとみられるメール。電話番号認証が必須化されたとしてメール内のURLから情報を入力するよう求める

 野村など4社は、パスワードを第三者に流出させていたなどの過失が顧客に認めらない場合は、被害前と株式が同数となるように各社が調達して補填する。顧客に一定の過失が認められた場合も一部補償を行う方向で検討している。また、野村は外部から有識者を招いた委員会を設置し、被害状況の確認や補償内容を決めるとしている。

 5社は再発防止策として、インターネット取引でアプリにログインする際は、複数の手段で本人確認する「多要素認証」の必須化を決定。一部の社は利用者のスマートフォンなどの端末に保存されている生体認証を使う「パスキー」などの導入も視野に、さらなるセキュリティ強化も検討している。

 金融庁の担当者は乗っ取り被害が確認された証券会社に対して「補償やセキュリティ強化を含めて引き続き真摯な対応をしてほしい」と話す。具体的な対応は各社の判断に任せている。

 日本証券業協会の日比野隆司会長(大和証券グループ本社顧問)は7月1日の記者会見で、一連の問題に関して「業界全体で対応を強化していかなければならない」と強調。被害を受けた顧客への補償は「各社が具体的な状況に応じて、詰めを行っている最中だ」と説明した。(久原昂也)

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