沢井製薬は8月27日、アルコール依存症患者向けの減酒治療補助アプリ「HAUDY」(ハウディ)を9月1日から販売すると発表した。薬事承認を受けた医療機器の一種で、アルコール依存症関連の「治療アプリ」は国内初。専門医でなくても対応できるよう治療支援のコンテンツを用意し、診療の質向上と飲酒習慣の見直しにつなげる狙いがある。
ハウディは、医療IT分野の新興企業「キュア・アップ」(東京)が開発。患者用と医師用に分かれており、保険適用の対象となる。
患者はスマートフォンで飲酒量などを記録し、アプリのガイドに従って「振り返り」や「セルフケア」を行う。医師はウェブ上で患者のデータを共有し、治療支援のコンテンツを活用しながら、診察時に進捗(しんちょく)を確認したり目標見直しを指導したりする仕組み。
近年登場した治療アプリを含むデジタル治療市場は急拡大し、2028年にはグローバル市場規模で約2兆5000億円の成長が見込まれている。こうした状況を踏まえ、沢井製薬はデジタル医療機器推進室を新設するなど体制を強化。ハウディ販売を機に、新たな収益源としてデジタル領域を拡充させる方針だ。
木村元彦社長は同日の記者発表で「新たな治療の選択肢として、患者や家族にとってなくてはならない存在になればと期待している」と話した。(清水更沙)
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