LINEヤフーは11月6日、いわゆる“釣り見出し”など「ユーザー体験を損なう記事」を繰り返し配信するメディアへの対応として、Yahoo! JAPAN上での掲出量を一定期間減らす措置を講じると明らかにした。Yahoo!ニュースに記事を配信するメディア各社に送付した通達の中で示したもので、通知内容は同社の自社メディア「newsHACK」上にも掲載した。
同社のガイドラインでは、偽情報や差別的な表現のほか、知的財産権の侵害、見出しの誇張、PR情報などを含む記事の入稿を禁じており、配信元メディアに順守を求めている。LINEヤフーはこれに加え、ガイドライン違反とまでは言えない記事であっても、読者から「不満」「不快」とするフィードバックが多く寄せられるケースがあり、対応が必要との見解を示した。
特に「多くのユーザーが不満・不快に感じる記事」を繰り返し配信する媒体に対しては、12月から、読者からのフィードバックの件数と内容が一定基準を超えた場合に、当該媒体の記事の掲出量を減らす措置を取る。該当するメディアには、あらかじめ「改善がみられなければ措置を取る」と通告するという。
「しばしばみられる問題事例」として、見出しと本文に乖離(かいり)がある、いわゆる「釣り見出し」を用いた記事/無関係な芸能人の名前を見出しに入れ、ネガティブな事案への関与をうかがわせる記事/SNSなどでの意見を引用して構成した、政治家や芸能人などの尊厳・名誉を傷つける恐れのある記事/スポーツの試合などで、結果が判明していないにもかかわらず判明したかのように誤読させる記事などを挙げた。
通達が出る直前には、週刊女性PRIMEが4日に公開しYahoo!ニュースにも配信した、相次ぐクマの被害と歌手・宇多田ヒカルさんの過去の発言を取り上げた記事が「悪質な編集」などとSNS上で批判を集めていたが、LINEヤフーによると今回の通達とは「無関係」だという。
この記事は、冒頭で歌手・宇多田ヒカルさんの写真とあわせて「ハンターに天罰が下りますように」「駆除するなんて酷すぎる」といったSNS上の無関係な投稿が紹介され、その後になってからクマに関する宇多田さんの過去の発言が続く構成となっていた。
翌5日には、「冒頭の投稿は宇多田さんの発言」との誤解に基づく批判の声が届いているとして、宇多田さん本人がXで「私でもだまされそうになった」「世間の憤りを関係無い有名人に向けようとするのやめてほしい」と苦言を呈した。この投稿は26万件を超える「いいね」を集めるなどの反響を呼んだ他、記事に対しても「明らかな印象操作」「悪質な編集」といった声が上がり、“インターネット記事の手法”全般についても関心が集まる事態となった。
こうした中で公開されたLINEヤフーの通達に対しては、Xなどで「長年問題のある記事を放置してきたのに、著名人が声を上げたら動くのか」といった声もみられた。ITmedia NEWSが問い合わせたところ、LINEヤフーは「以前より、過度に強い表現を盛り込んだタイトルの記事などをYahoo!ニュースとして問題視しており、この日程でガイドライン順守のお願いをお送りすることは、以前から決まっていた。宇多田さんの件とは無関係だ」と説明した。
なおLINEヤフーは1月にも、ガイドラインの順守を改めて求める通達をメディア各社に送付しており、今回の例と同様に自社メディア上で公開している。
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