子供のSNS利用を巡ってトラブルが多発する中、動画投稿アプリ「TikTok」の日本法人・TikTok Japanの公共政策本部政策渉外担当部長、金子陽子氏が1月23日までに、産経新聞のインタビューに応じた。現在発生している問題をどのように認識し、どう対応していくのか。一問一答は次の通り。(聞き手 西山諒)
――現在の子供のTikTok利用を巡る状況は
金子氏:TikTokでは、青少年の安心安全を、まず何よりも第一と考えています。そのような観点から、まず13歳以上の方のみお使いいただけるプラットフォームとなっています。逆に言うと13歳以上の方であれば、どなたにもお使いいただけて、また広く150を超える国と地域の方にも、お楽しみいただいています。
少し孤独を感じてしまうとき、人に見せたくない悩みがあるときも、アプリの中で、同じような悩みを持つ仲間と出会って、元気づけられる。いろいろな環境にあるお子さんのご支援をされているNPOの方のご利用も広まっています。
――ペアレンタルコントロール(保護者による管理)機能など、子供を守る取り組みの背景は
金子氏:特にお子様の安心安全は、会社として第一の優先順位として取り組んできています。ただ、一つの会社だけがやってもなかなか実現は難しい分野です。TikTokでは、プラットフォームだけが取り組むのではなく、専門家、保護者、教育関係者、医師も含め、連携して取り組んでいます。多様な有識者の方々の意見を聞きながら、こういった機能を開発しています。
――ペアレンタルコントロール機能に関するCM放映の理由は
金子氏:まずは、知っていただく、そして使っていただくということを促すための取り組みです。CMは、ちょっと楽しい雰囲気になっていて、何か制限するというよりは、楽しく安全機能を使っていただくというテーマで、より多くの方に知っていただく形になっています。
――子供がTikTokを安全に使う上での課題は
金子氏:TikTokは、いろいろ安全機能を作っています。これを知って、使っていただくことが一番の課題です。
例えば、学校にお伝えすると「知らなかった」と言われたことが多くありました。
知って、使っていただく観点から、「ウェルビーイングミッション」という機能を2025年、実装しました。お子様が自ら安全機能を活用でき、そのヒントも一緒に学んでいただける機能になっています。
ウェルビーイングミッションは、ボストン小児病院のデジタルウェルネスラボを始めとする専門家の方のご意見もいただきながら作りました。子供の行動の変化には、制限するだけではなくて、楽しく達成感を得られる仕組みが必要であるという意見を反映しています。
安全機能は、なかなか目に触れることがなく、アプリ上でも知っていただきにくいので、楽しみながらTikTokで安全機能を知っていただくための機能を入れています。
――子供のTikTok利用におけるポイントは、使いすぎの防止か
金子氏:使いすぎや長時間利用の問題は、以前より弊社で認識しており、この点についても多様な機能を入れてきました。ペアレンタルコントロールの中に「休憩タイム」というものがあります。
これまでも、使用時間などを話し合って管理する機能はありましたが、特に柔軟に、「この時間は塾の時間なので絶対に使わないでほしい」などと保護者の方が思った場合に、それを指定して管理できる機能です。
――子供と話し合ってから、ペアレンタルコントロールを利用することが大切か
金子氏:保護者の方とお子さんで対話することが一番大切だと認識しています。ペアレンタルコントロールをどう使いたいか、どう使わせたくないか、ご家庭によって方針が異なるところです。「うちはこんなふうな使い方にしよう」と合意して活用いただけると、すごく効果が高い。お子さんがこっそりやめることもなく使っていただけると思います。
――13歳未満は利用できないことは十分に周知されているか
金子氏:とにかく知っていただく努力を重ねてきています。またアカウントを作るときには、生年月日を必ず入力していただく仕組みになっています。年齢確認は、世の中にある中でも厳しい方で、自分で何年、何月、何日生まれと数字を入れなければなりません。
他のプラットフォームの年齢認証では、「あなたは18歳以上ですか、18歳未満ですか」と選択肢が2つしかないスタイルもあります。
――子供向けに表示される動画はフィルタリングされているのか
金子氏:前提として、TikTokでは18歳未満の方とそれ以上の方で、表示されるコンテンツというのはしっかり分けられています。特に、ペアレンタルコントロールをお使いいただかなくても、自動的に未成年には不適切なコンテンツが表示されないようになっています。
ただ、その上で、ご家庭の方針や考えに応じて、さらに触れさせたくないコンテンツをキーワードなどで細かくコントロールできるのが、ペアレンタルコントロール上のフィルターです。
――インターネット検索では、年齢確認なしで動画が閲覧できる点について問題ないか
金子氏:そもそもログインしていない人、年齢認証を経ていない人に表示するコンテンツは、かなり保守的なものとなっています。
例えばアダルトに近いものなどは、きちんとコントロールしており、問題のないものは、普通に表示されるようになっています。未成年に不適切なコンテンツは、ログインなしの状態では見られない対応を取っています。
――18歳未満向けのペアレンタルコントロールは、実際どれくらい使われているか
金子氏:数字としては公表していません。ただ、引き続き第一の優先として取り組んでいきます。今後も(ペアレンタルコントロールを)より使っていただく率を高めていくことに、真摯に取り組んでいきます。
――オーストラリアは、16歳未満のSNS利用に制限をかけた。Instagramなどを運営する米Meta社は、16歳未満とみられる約55万アカウントを無効にしたが、同様の取り組みを行っているか
金子氏:TikTokで年齢要件に満たないアカウントについては、グローバル規模で削除を含む適切な措置を講じる仕組みになっています。アカウントの利用停止・削除は、以前より海外の規制動向に関わらず対応しています。
具体的には、キーワードであったり、コンテンツモデレーション(監視)、そしてコミュニティ、ユーザーの皆さんからの報告などを基に、13歳未満だと思われるアカウントが検出された場合、そして13歳未満のユーザーが所有すると判断できた場合には、アカウントを削除しています。アカウントを作っていただいた後も、モデレーション、判断を行っています。
――これまで、アカウントを無効にした数は
金子氏:数は公開していません。
――TikTokを13歳未満で使用しているユーザーを把握しているか
金子氏:保護者の方のアカウントを使ってしまうということは、保護者の方から聞いたことがあります。
――保護者や13歳以上のきょうだいのスマホなどを使って起きるトラブルについては、どう考えているか
金子氏:未成年者は、保護者の監護が大切な段階だと認識しています。13歳未満の方はお使いいただけませんが、保護者の方が「これは見てもいいかな」というコンテンツがあれば、一緒に見ることを条件に、TikTokをご覧いただくという選択肢はあり得るのかなと思います。
――24年には、京都で当時10歳の小学生が、兄のスマホを使ってTikTok上で投げ銭などとして計約460万円を課金し、返金を巡って提訴する動きがあった
金子氏:TikTokでは、投げ銭をギフティングと呼んでいます。ライブ配信中に、ギフトを送ってクリエイターの方を応援できる機能です。
前提として、「TikTok LIVE」では、18歳未満の方は配信はできません。未成年の方はギフトを購入したり、送ったりということはできない仕組みになっています。
万が一、保護者など成人の方のアカウントを通じて、本人の同意なく、未成年の方がギフトを購入してしまった場合も、これは起こり得ることかと認識しています。そのような場合は、後からでも保護者の方の申し立てによって返金が可能になる仕組みを整備しています。
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