【台北=西見由章】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の機密情報不正取得事件を巡り、台湾の知的財産・商業法院(知財高裁に相当)は4月27日、国家安全法違反罪などに問われた半導体製造装置大手、東京エレクトロンの台湾子会社に罰金1億5000万台湾元(約7億6000万円)、主犯の子会社元社員に懲役10年を言い渡した。判決は子会社が元社員への「監督責任を尽くさなかった」と指弾する一方、機密情報の第三者への漏洩(ろうえい)はなかったと認定した。
台湾当局は2022年、中国による産業スパイを念頭に国家安全法を改正し、「国家の核心的な重要技術の営業秘密」を不正に取得することなどを禁じる「経済スパイ罪」を新設。この条項が初めて適用されたのが日系企業だったことから台湾内外の注目を集めた。
判決は台湾子会社への罰金について、TSMCに1億台湾元、台湾当局に5000万台湾元を支払うことを条件に3年間の執行猶予を付けた。また事件発覚後、主犯の元社員が入手していたTSMC関連のデータを消去したとして証拠隠滅罪に問われた当時の子会社幹部に懲役10月、執行猶予3年を言い渡した。主犯の元社員に営業秘密が含まれるデータを提供したTSMCの技術者だった3人は懲役6〜2年とした。
台湾高等検察署(高検)によると、主犯の東京エレク子会社元社員はTSMCの元技術者。同社の最先端半導体の製造過程に東京エレクの装置を供給する資格を得ようと計画し、自社装置の改善に向けて旧知のTSMCの技術者らに営業秘密が含まれるデータを提供させた。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR