ヤフーが目指す「SNS以上」
ヤフーはこのほど、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Yahoo!360゜」(仮称)をオープンした(関連記事参照)。機能は今のところ「mixi」とさほど変わらないが、今後は同社の別サービスと連携を進め、サービスプラットフォームに育てていく方針。純粋なコミュニケーションツールとして成長してきたmixiとは異なる方向を目指す。
Yahoo!360°は、昨年3月にスタートした米Yahoo!の同名サービスの日本版という位置付け。昨夏ごろ開発に取りかかり、新生活で人間関係が広がる今春までのリリースを目指してきた。
「コミュニケーションツールには国民性が色濃く出る」(同社メディア事業部ディレクション室の二宮鉄平さん)ため、米国版をベースにしつつ、国内SNSのデファクトスタンダードとなったmixiも意識しながら、日本独自のデザインや機能を取り入れた。
日記やメッセージ送受信、「足あと」(アクセス履歴)、「Yahoo!メッセンジャー」のオンライン状況が分かる機能など、まずはコミュニケーションに必須の機能を装備。友人をタグで分類でき、タグごとに日記やプロフィールの公開範囲を決められる機能を備えたのも特徴だ。
検索機能やコミュニティも近いうちに追加する予定。ユーザーの声を取り入れながら、機能の拡張や削減を柔軟に行っていく。
個人向けサービスのプラットフォームを目指し、同社の他サービスと連携させる予定。アルバムやオークション、ショッピング、ブログ、メールなど、同社の約80サービスのうち「連携できないサービスはほとんどない」という。ただやみくもに連携させるのではなく、相性のいいものを厳選し、使いやすいサービスにしていく。ユーザーインタフェースも改良し、初心者を含めた多くのユーザーに使ってもらいたい考えだ。
将来は、ブログや画像共有などCGM(コンシュマージェネレイティッドメディア)の情報を、各ユーザーに最適な形で見せてくれるメディアに育てたいという。「ネット上にCGM情報が増え、どれを見ていいか分からない状況になっている」と二宮さんは話し、SNSで友人の目を通した情報だけを得ることで、自分に必要な情報だけを効率よく収集できる仕組みにしたい考えだ。
ユーザーの集め方は、「Yahoo!のメディアパワーを生かしてドーンと人を呼んでくる」という従来の手法とは異なる。SNSは知り合い同士のコミュニケーションが基本。少人数でも活発に使ってもらうことが拡大につながるため、まずは招待制を採用し、知り合い同士で参加してもらってコミュニケーションを活性化し、その上でISP会員などに開放してすそ野を広げる作戦だ。
収益を得る方法は、まだ具体的には考えていないという。人が集まり、濃いコミュニケーションが行われる空間が構築できれば、収益は後から付いてくるという考えだ。
オープン当初から「すごい勢いでユーザーが増えている」といい、注目度は高いようだ。しかし「独自の機能が少ないままだとユーザーが離れてしまう」とし、次々に新機能を追加していきたいという。
ヤフーのSNSは、人間関係をベースにしつつ、さまざまなサービスを組み入れた新しいツールへの進化を目指す。「友人ネットワークにとどまらない、“SNSを超えたもの”にしたい」
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