「羽根のない扇風機」を見てきた Dyson、日本でも11月発売
空洞から勢いよく風が吹き出す――英Dysonは、羽根がないのに風が出る扇風機「Air Multiplier」(エアマルチプライアー)を、11月2日に日本国内で発売する。オープン価格で、実売予想価格は3万7000円前後。「ダイソンオンライン」やインテリアショップなどで購入できる。
円柱状の土台に円い輪っかが載ったデザインで、輪っかの内側後部には約1ミリの細いスリットが空いている。土台の側面にある小さな穴から吸い込んだ空気を、モーターが輪っか部に送り、スリットから放出する際、気圧差で周囲の空気を巻き込み、風を増幅させる。
輪っかの内部は、飛行機の翼のような流線型の傾斜(角度16度)が付いており、後方の直径がやや小さく、前方がやや大きくなっている。この傾斜で風量が増す上、輪っかの前方・後方の空気も巻き込むことで風を増幅。吸い込んだ空気の15倍の空気が、輪っかから放出されるという。
何もないところから風が来る不思議な感覚
スイッチをオンにして前に立ってみると、羽根のある扇風機同様に風が出てくる。何もない空洞から風が出てくるように見えて不思議な感覚だ。風は、輪っかのスリットから円く吹き出しているので、空洞の真ん中に手を入れてみても無風だ。
風量はつまみで細かく調整できる。弱風時は普通の扇風機の強風時程度の騒音だが、強風時はやや大きな騒音がし、静かな場所だとちょっと気になりそうだ。首振りも可能で、円柱の土台ごと左右90度に首を振る。ボディを前後に傾け、角度を変えることもできる。
輪っかの直径が25センチと35センチの2種類あり、25センチのものは毎秒約20リットルの空気を吸い込んで300リットル近くの風を、30センチのものは毎秒27リットルの空気を吸い込み、400リットル近い風を吐き出す。
従来の扇風機は、羽根が空気を切るため空気の流れが不均衡になっていたが、この扇風機ならむらなく空気を送れるという。羽根がないため子どもなどが指を入れても安全で、そうじも簡単。重心は円柱状の土台にあり、羽根の後ろのモーター部に重心がある従来の扇風機と違って倒れにくいのも特徴だ。消費電力はフルパワー時で40ワットと「エアコンよりずっと省エネ」(ジェームズ・ダイソン社長)だ。
細いスリットから空気を吐き出して手を乾かすハンドドライヤーを同社で開発していた際、「スリットから出てきた空気が周囲の空気を巻き込んでいる」と気付き、扇風機に応用できると考え、3年かけて開発した。発売が冬になったのは「研究開発が終了したから。ダイソン社長は「わたしはデザイナー。ビジネスシーズンはあまり考えていない」と笑っていた。
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