Microsoftがタブレット市場でAppleに勝てない理由(2/2 ページ)
Microsoftはタブレット分野での巻き返しに力を入れているようだが、最大のライバルであるAppleとiPadを打ち負かすのはたやすくはない。iPadの人気はあまりに高く、Windowsはまだ準備が整っていないのだ。
5. かつてとは違う
数年前、Microsoftは今とはかなり違う企業だった。多くの分野で独占体制にあったおかげで、いくつもの市場に集中して、うまくやれていた。今はそうではない。確かに、Windowsは今もPCでは圧倒的優位を占め、Officeは一番のプロダクティビティスイートだ。しかしMicrosoftはモバイル、検索、広告ではうまくいっていない。かつてのようにはいかなくなっている。同社はWindows Phone 7でスマートフォン分野でのブランド再構築に力を入れている。同社がタブレット業界でも名を上げることにどうすれば成功できるかは分からない。
6. モバイルアプリ不足
今日タブレットの成功に欠かせない要素が、サードパーティーのモバイルアプリを用意できるかどうかだ。AppleとGoogleが独自のモバイルアプリストア構築に多大な関心を寄せている理由はまさにここにある。一方Microsoftはまだ大きく後れを取っている。同社のWindows Phone 7マーケットプレイスのアプリは5000に満たない。これらはすべてすべてスマートフォン向けに作られたものだ。Microsoftがタブレット市場に参戦するのであれば、デスクトップに重点を置いたフル機能プログラムではなく、魅力的なアプリをできるだけ自社OSに呼び込む方法を見つける必要がある。
7. ハードは人任せ
Appleが現在成功しているのは、iPadのすべての側面をコントロールしているからだ。ハードを設計しているだけでなく、ソフトも作っている。その結果、2つの不可欠なコンポーネントがうまく融合し、iPadを非常に優れたデバイスにしている。Microsoftはソフトのみを提供するつもりのようだ。このため、同社は提携先ベンダーの設計者に頼ることになる。少なくともこれまで、設計に関しては、タブレット市場でAppleと張り合えた企業はない。
8. Googleの存在
Googleはまだタブレット分野に強い攻勢をかけていないが、同社はMicrosoftにとって幅広い市場で大きな懸念材料となっている。Googleは、毎日スティーブ・バルマー氏が心配している企業だ。それを考えると、MicrosoftがGoogleを念頭においてタブレット向けOSを開発する可能性は高そうだ。その過程で、同社はAppleを成功に導いた要因を見失うかもしれない。それは良いことではない。
9. Appleの次の計画
Appleが2011年にiPadの自社のモバイルOSに関して何を計画しているのか、Microsoftは全く知らない。Appleは小規模なアップデートを提供するかもしれないし、革命的な何かを投入するかもしれない。Microsoftにとって賢明なのは、Appleが何をするのか様子を見て、それに独自の策で対抗することだろう。その代わりに、同社はAppleが手の内を見せる前の1月に、タブレットを発表するつもりのようだ。これは間違いであり、Microsoftは余計にスティーブ・ジョブズ氏とその会社に追いつけなくなるだけだ。
10. ベンダーの協力
すべてをやり終えた後、Microsoftはタブレット分野での市場シェア獲得をベンダーに頼る必要がある。今のところ、Windows 7タブレットを顧客に提供しているベンダーで最も目立つのがHPだ。Acerは2011年の投入を計画している。一方LG、Samsungなど複数のベンダーは、Android搭載のタブレットを既に提供しているか、年明けに提供するつもりだ。簡単に言えば、MicrosoftはGoogleとのベンダーの奪い合いに直面している。Googleとの戦いは、MicrosoftのApple追撃に支障を来すかもしれない。
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