「台風の目に入らなければ」 角川とGREEが提携、「ソーシャル電子書籍」配信
角川グループホールディングス(角川GHD)とグリーは2月24日、インターネットコンテンツ事業で業務提携すると発表した。角川グループの書籍やコミック、アニメなどをGREEで提供。角川グループのコンテンツ力と、2400万人に上るGREEの会員基盤やソーシャル性を合わせ、お互いの収益拡大を目指す。
角川グループの電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」のコンテンツをGREEで今夏から配信する。友人・知人と購入履歴や書評を共有できる「ソーシャル電子書籍アプリ」として提供。ユーザーの選択によってストーリーが変わったり、複数のユーザーで読み進めたりといった、紙の本にはない楽しみ方も実現していく。
角川グループの映画やアニメを活用したソーシャルゲームもGREEで配信する。まずはライトノベル「GOSICK」のソーシャルゲームを近日中に公開。「涼宮ハルヒの憂鬱」やドラマCD「ぺらぶ! a cappella love!?」、今年公開予定の映画「源氏物語」もソーシャルゲーム化する予定だ。
コンテンツのプロモーションでも協力する。角川グループが出版する書籍の帯などに二次元コードをプリントし、そのコードを読み取ってGREEにアクセスすると、ソーシャルゲームの限定アイテムがもらえる――といった連携を考えている。
「台風の目の中に入らなければいけない」と角川会長
「電子書籍は1点1点が強い力を持っているものではない。リアルの書店の方がプッシュ力は大きい。そんな中どうやって電子書籍を届けていくのか考えてきた」――角川GHDの角川歴彦会長は発表会でこんな風に切り出した。
「電子書籍は百花繚乱のように出ている端末にこれでもかこれでもかと顔を出すのではダメ」と角川会長。提携の狙いは「GREEのようなきちんと会員を持っているSNSの中で(電子書籍を)位置付けてもらう」ことだという。
SNSに注目したきっかけは、角川グループのアスキー・メディアワークスが運営するケータイ小説サイト「魔法のiらんど」。「膨大な著者を輩出する世界が実現しているのを見たとき、ソーシャル性というのはコンテンツが飛躍する大事な要素になってくるなと。大衆にコンテンツを作ってもらう時代がくると確信した」(角川会長)
今夏から配信する「ソーシャル電子書籍アプリ」については「本を読みながら感想を共有できるなんて大変な時代になった」とコメント。そんな時代に「対応できなければコンテンツ事業者としての将来はないなと感じた。変化の台風の目の中に入らなければいけない」と、意気込む。
GREEは2006年にKDDIと組んで携帯向けサービスを始めた経緯がある。グリーの田中良和社長は「通信会社がコミュニティーサービスをやるのは難しいんじゃないかと言われるなかで、KDDIと組んで新しい常識を産み出してきた」と振り返り、今回も「突破口となるような」企業と組んで、「新しいコンテンツの形を模索していく」と協業に期待している。
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