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日経「AI記者」の衝撃 開発の背景に「危機感」(4/4 ページ)
あの日経が、AIに記事を書かせ始めた――1月に公開された「決算サマリー」がネットを驚かせた。なぜ、AIに記事を書かせようと考えたのか。インタビューした。
「広告モデルの無料ニュースサイトもクオリティが上がってきている。『NewsPicks』(月額1500円)や『dマガジン』(月額432円)など低価格な有料メディアも支持を集めており、日経電子版の相対的な優位性はこのままでは下がってしまう。『これなら4200円払える』と納得してもらえるサービスを出さなくてはならない」
AIによる記事執筆など新分野に果敢に挑戦し、提供できる情報の量を増やすとともに、「日経は先進的だ」というイメージを持ってもらい、会員をつなぎ止める狙いだ。
日経は近年、技術をベースにした「テクノロジー・メディア」を目指しているという。2015年に買収した英経済紙のFinancial Times(FT)との技術交流も積極的に実施。「新技術を取り入れて進化しないと生き残っていけないという危機感は強い。デジタル編成局に所属する約100人のうち、半分ぐらいがエンジニア。どんどん中途採用しており、ボトムアップで新しいサービスが出ている」(江村部長)。
有料サービスへのAIの応用も始めている。経済に関する質問にAIが回答する企業向けシステム「日経DeepOcean」を今年1月にリリース。今後は、「決算サマリー」の技術を応用し、企業が必要とする情報を要約して提供するサービスなども視野に入れる。
「記事に限らず、業務に必要な情報に高付加価値を付けて売っていくことも考えている。ベースになるのは技術だ」(木原部長)
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