新型15インチMacBook ProとMacBook Airを試した:13インチとどう違う?
刷新されたMacBookファミリーのうち、今回は15インチMacBook ProとMacBook Airを検証していく。まずはLeopard編だ。また、先日公開された「EFI Firmware Update 1.7」も試してみた。
これまで13.3型ワイド液晶を搭載する新しいMacBook Proを2回に渡って紹介してきたが、ここではそのほかのMacBookファミリーから、15インチMacBook ProとMacBook Airを取り上げる。評価したのは、15インチMacBook Pro(MB985J/A)と、MacBook AirのHDD搭載モデル(MB233J/A)だ。
※記事初出時、15インチMacBook Proの型番を誤って記載しておりました。正しくはMB985J/Aです。お詫びして訂正します。
細かい仕様上の変更点などは、すでに「アルミユニボディの15インチMacBook Proが一新、17インチモデルも値下げ」や「MacBook AirのCPUが高速化し、16万円台に値下がり」、「アルミユニボディの新型MacBook Proファミリー、気になるお値段は?」にあるとおりだが、簡単に整理すると、15インチMacBook Proは基本システムの強化とSDメモリーカードスロットの搭載、および本体一体型の内蔵バッテリーによる7時間駆動。一方のMacBook AirはCPUを強化したマイナーバージョンアップだ。
15インチMacBook ProもSDメモリーカードスロットを搭載
15インチMacBook Proは、SDメモリーカードスロットが新設されたことでExpressCard/34スロットが省かれ、ケンジントンロックの位置も変更されているが、基本的には従来モデルのボディを踏襲している。本体サイズや重量なども変わらず、バックライトキーボードや液晶上部の内蔵iSightなども同様だ。
左側面に新設されたSDメモリーカードスロットは、13インチモデルと同じようにSDメモリーカードを挿入すると1センチほど外に飛び出てしまう構造になっている。これはちょっと……いやかなり残念だ。ちなみに、13インチモデルは音声入出力が共用(排他)になっていたが、こちらは入力と出力で1系統ずつ用意されている。
一方、MacBook Airは外観上の変更点はなく、今回評価したHDDモデル「MB233J/A」は、従来機に比べてCPUクロックが1.6GHzから1.86GHzに引き上げられたのみ。最大の注目点は、16万8800円という価格だろう。
システムパフォーマンスを検証、「EFI Firmware Update 1.7」は?
それでは早速ベンチマークテストで性能をチェックしていこう。ここではCINEBENCH R10と、PC USERでおなじみのiTunesによるファイル変換テストを行い、先日レビューした13インチMacBook Pro(MB990J/A)を比較対象に挙げた。
CINEBENCH R10の結果を見ると、Rendering xCPUのスコアは、2.66GHz(FSB 1066MHz/2次キャッシュ3Mバイト)のCore 2 Duoを採用する15インチモデル(MB985J/A)が5787と高く、同様にOpenGLのスコアも外付けのGeForce 9600M GT(256MバイトGDDR3)の効果が出ている。一方、MacBook Air(MB233J/A)は、同じグラフィックス機能を持つ13インチMacBook Proよりも低いスコアとなったが、これはGPUのコアクロックを意図的に下げているためだろう。iTunesでファイル変換に要した時間も、QuickTimeファイル(再生時間1分)の「iPod/iPhone用」変換で、15インチMacBook Pro(MB985J/A)が67秒、Appleロスレスファイル(再生時間10分)のAAC変換で19.5秒と、ほかの2機種に比べて速く処理を終えた。
なお、WWDC 2009で発表された13インチ/15インチMacBook Proは、実は出荷時の状態でSerial ATAの転送速度が従来の3Gbpsから1.5Gbpsに(なぜか)変更されており、これを3Gbpsにアップグレードするためのファームウェア「EFI Firmware Update 1.7」(3.1Mバイト)が公開されている。そこでこのファームを適用したうえで、XbenchのHDDテストを行ってみた。
結果を見れば分かるように、当然ながらスコア差はほとんど誤差の範囲と言える。評価機に搭載されていたHDDは、日立GST製の500Gバイト(2.5インチ/5400rpm)ドライブだったが、ユーザー自身でストレージをSSDなどに換装して利用するのでなければ、ファームアップする意味はほとんどなさそうだ。
以上、駆け足で新しい15インチMacBook ProとMacBook Airのシステムパフォーマンスを見てきた。次回は15インチMacBook Proを中心に、バッテリー性能やWindows XP環境下での性能評価を行っていく。
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