GPU対決を通して2011年が見えた10月のアキバ:5分で分かった気になる、10月のアキバ事情(2/2 ページ)
“まさかの予定通り”で登場した「Radeon HD 6800」シリーズをはじめ、10月はグラフィックスカードの話題で持ちきりだった。そこで気になるのがGeForceとRadeon両陣営による次世代ハイエンドGPUのリリース時期。年内の“ガチ対決”は?
6コアが可能なAMD 890GXや極薄IONなど、個性派Mini-ITXマザーが続々
10月はユニークなMini-ITXマザーの新製品も目立っていた。ハイスペック志向のユーザーから注目を集めていたのは、10月初旬に登場したJ&Wテクノロジーの「MINIX 890GX-USB3」だ。チップセットにAMD 890GX+SB850を搭載しており、SATA 3.0やUSB 3.0に対応するうえ、TDP 95ワット以下のSocket AM3型CPUを載せることができる。現行のPhenom II X6 1055Tは、TDPが下げられてちょうど95ワットとなっているため、6コアCPUを搭載した小型マシンさえ構築できるというわけだ。拡張スロットはPCI Express x16を1基備えており、価格は1万9000円弱となっている。
クレバリー1号店は「Mini-ITXで最強構成を狙うなら最上位のマザーといえるでしょう。チップセットネイティブ対応のSATA 3.0ポートが4基あるので、複数台でRAID 0を構築して、そこらのミドルタワーよりも高速なマシンが構築できます。ただし、ハイスペックを狙うと発熱は相当シビアになるので要注意です」とうれしそうに話していた。
また、同時期にAtom D525を搭載したGIADAのION2マザー「MI-ION2」も1万8000円弱で出回っており、こちらは省スペース志向のユーザーの話題を集めていた。小型ファンを搭載した薄型クーラーを標準で備えたマザーで、基板にほぼ平行に装着できるSO-DIMMスロットを備えており、パーツや各種コネクタを接続しても厚みが2センチ程度に収まるのが特徴だ。基板にAC給電用のコネクタを搭載しており、付属のACアダプターで給電する仕組みとなっている。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「AC給電限定なので使えるケースや拡張の幅は制限されますが、とにかく省スペースなマシンを作りたいという人に売れそうですね。ION2なので映像出力もそこそこ優秀ですし、目的を限定したサブマシンとしてなら十分実用できるでしょう」と評価していた。
IONプラットフォームのマザーは、ほかにも10月後半にZOTACから「IONITX-N-E」が登場している。1.3GHz動作のシングルコアCPU「Celeron 743」をオンボードで搭載し、デスクトップ型のDDR3メモリスロットを2基備える。映像出力はHDMIとDVI、アナログRGBに対応、PCI Express x16スロットも1基用意している。価格は1万6000円前後だ。
TSUKUMO eX.は「CULVノートの低スペックモデルと同等の性能と考えると分かりやすいと思います。そこからメモリやグラフィックスカードで性能を拡張していけますので、Atom搭載のIONマザーよりも自由度が少し高め。使っているうちにいろいろと改造していきたいという人にオススメですね」と語った。
裸眼立体視システムや“イケメン仕様”の無線LANアクセスポイントなども
最後は、そのほかのジャンルでキラリと光った新製品をまとめて振り返ろう。
10月初旬にドスパラアキバ店に展示されたのは、裸眼で映像を立体視できるVMJの22型ワイドディスプレイ「22”Multi-User 3D Display」だ。画面の縦方向に左右眼用の映像を短冊状に並べることで、3Dメガネを使わずに立体映像が楽しめるディスプレイで、同時に始まった受注の価格は23万1000円。3D動画プレイヤーソフト「3D Movie Center」が7万5600円、DirectXとOpenGL対応アプリ向けのドライバ「DeepOutside3D.Z Standard」が5万400円で用意されており、発売キャンペーン期間限定で3点セットが合計35万7000円から12万8000円に大幅値下げされていた。また、キャンペーン期間外でも、同社のPC「GalleriaHX」推奨モデルとセットで購入すれば同じ価格で購入できる。同店にはデモ機を見に来るユーザーが多数詰めかけており、「ゲーム以外で裸眼立体視を求める方も多く、順調に注文が入っています」と話していた。
AMD系マザーボードでは、10月初旬に登場したASUSTeKのE-ATXマザー「CROSSHAIR IV EXTREME」が、“AMDで最強”との評判で話題を集めていた。AMD 890FX+SB850を採用しており、SATA 3.0やUSB 3.0に対応するほか、5基のPCI Express x16スロットを使ってRadeonとGeForceを混在させたマルチGPU環境も構築できるのが特徴だ。価格は3万9000円弱。
ツートップ秋葉原本店は「MSIのFusionに対抗するようにGPU混在環境をサポートしていますが、多くのユーザーは4GPUを使ったCorssFireXを構築できるマザーとして見ていますね。AMDプラットフォームとしては高価なマザーですが、欲しい人は確実にいると思います」と話していた。
入力デバイスの注目株は、ロジクールのワイヤレストラックボール「Wireless Trackball M570」だ。同社製では、2008年12月に登場した「Cordless Optical TrackMan TM-400」以来となるモデルで、今モデルはレーザーセンサーを採用しているのが特徴。10月中旬から出回るようになり、11月初旬現在も5000円弱で購入できる。
ソフマップ秋葉原本館は「マウスで定評のあるロジクール製のトラックボールを待っていた人はかなり多いので、割安感も手伝って好調に売れています。トラックボールに慣れるとマウスに戻れなくなるという人もいますし、今後も定番アイテムとして君臨してくれると期待しています」と語る。
最後は、10月末に登場したプラネックスの無線LANアクセスポイント「MZK-SA150HOK」。7月中旬に登場したIEEE802.11b/g/n対応の「Simple MZK-SA150N」のバリエーションモデルで、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼 巡想録」の登場人物が描かれたシールを6枚同梱している。価格は5000円弱だ。
イケメンキャラのみを特典にした斬新な戦略に驚くショップは多く、「萌えキャラ好きな男性ではなく、女性にターゲットを絞ったのは新しい。コレがヒットしたら、今後もPC関連アイテムでも新たな客層を狙った飛び道具が出てくるかもしれません」(フェイス秋葉原本店)と、メーカーの開拓魂を評価する声が多く聞かれた。
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