新型「VAIO L」徹底検証――“テレパソ”の弱点を克服した24型ボードPC:2つのテレビ機能+新感覚のタッチ操作が楽しい(1/5 ページ)
PC、テレビ、レコーダーを1台で実現できる“テレパソ”は機能が豊富な半面、各機能が中途半端になりがちだ。ソニーの新型「VAIO L」は、この問題に正面から挑んできた。
プレミアムな液晶一体型PCが満を持してフルモデルチェンジ
ソニーの「VAIO」ブランドで“ボードPC”と呼ばれる液晶ディスプレイ一体型デスクトップPCには、「VAIO L」と「VAIO J」の2つのシリーズが用意されている。いずれもテレビ機能が充実した“テレパソ”だが、このうちVAIO Lは24型フルHD液晶を備えた上位シリーズに位置付けられており、AV機能重視のプレミアムな液晶一体型PCだ。
2011年3月に発売された春モデルは、2009年秋冬モデル以来のフルモデルチェンジとなり、ボディデザインを一新するとともに、最新CPUのSandy Bridge(開発コード名)こと、第2世代Core プロセッサー・ファミリーを導入してきた。
さらに今回のフルモデルチェンジは、従来の高性能な液晶一体型PCを求めるようなコアユーザーだけでなく、女性やファミリー層への拡販も狙っており、PCから独立した地デジチューナーを内蔵することで、液晶テレビ感覚ですぐにテレビが視聴できる「スグつくTV」を盛り込むなど、使い勝手を含めたテレビ機能の充実化に取り組んでいる。
店頭販売向け標準仕様モデルのラインアップは、スペックの異なる2グレードに分かれ、カラーバリエーションも含めて計3モデルの構成だ。タッチパネル対応の上位機はクアッドコアCPUや外部GPUを搭載した高性能な基本スペックを備えているのに対し、タッチパネル非対応の下位機はデュアルコアCPUと内蔵GPUを組み合わせることで買いやすい価格に抑えたほか、2つのカラーから選べる。このほか、購入時に仕様をカスタマイズできるソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルも販売中だ。
ここでは標準仕様モデル上位機「VPCL219FJ/W」の性能や使い勝手を検証しよう。
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スタンド型へ回帰したシンプルでエレガントなボディデザイン
ボディのデザインは、画面と一体化したスリムな本体部分にV字型のスタンドを取り付けた実にシンプルなものとなっている。スクエアなフレーム型デザインだった先代機はどちらかといえば男性的なイメージが強かったが、こちらは中性的でエレガントなイメージだ。
デザインのコンセプトは「ノイズレス」。今回はテレビ機能がテーマということで、画面を主役に余計なものを排除するという意味が込められている。従来のフレーム型からスタンド型へ変更した理由も、テレビの視聴を前提に考え、角度調整のしやすさを優先したことによる措置だという。ディスプレイ部の角度は下5度から上39度まで調整できる。
シンプルではあるが、PC本体部はLEDバックライトの採用により約40ミリ前後まで絞っており、なだらかな曲面を描くすっきりした背面や各種ボタン、アルミダイキャストを使った円柱状のV字スタンドの形状や断面も含めて、デザインへの配慮は細部まで徹底している。さりげなく高級感のある仕上がりで、リビングにも違和感なくなじむ。
本体サイズは最小傾斜時で608(幅)×168(奥行き)×429(高さ)ミリ、最大傾斜時で608(幅)×187(奥行き)×439(高さ)ミリ、重量は約11.7キロだ。設置した印象は単体の24型ワイド液晶ディスプレイと同程度で、画面サイズの割になかなかコンパクトにまとまっている。
ソニーの調査によれば、日本の住宅の内装は約8割がホワイトを基調にしているということで、ボディカラーは上/下機種ともホワイトを用意しており、下位機ではブラックも選べるようになっている。なお、上位機ではタッチパネルを採用している関係から画面周囲のフレーム部分がブラックなので、下位機のホワイト(こちらは画面周囲もホワイト)とは少しイメージが異なる。
電源ユニットは本体に内蔵しておらず、ACアダプタで駆動する。本体カラーと同色のワイヤレスキーボード、ワイヤレスホイール付き光学マウス、ワイヤレスリモコンが付属しており、配線をすっきりと設置でき、離れたところからでもケーブルレスでPCの操作やテレビの視聴が楽しめるのは従来機譲りの特徴だ。
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