「Windows 7+WinRT=Windows 8」──明らかになるARMが動く“仕掛け”:BUILD(3/4 ページ)
Microsoftの開発者カンファレンス「BUILD」が始まり、Windows 8の概要が発表された。開発リーダーは、このイベントを「Windows 8のローンチ」と宣言した。
Windows 8は、大きなものから小さなものまで
今回公開されたWindows 8は、Microsoftにとっては大きなチャレンジとなる新機能が導入される。まず注目したいのが、ARMデバイスのサポートだ。そして、従来までのWindows Tablet Editionとは異なる、完全にタッチ操作中心の新しいUIも導入する。この2つの大きなハードルがWindows 8の開発で問題となる。
ARMについては、デモで使う機材の一部がARMで動作していることが、基調講演で繰り返し強調された。また、Internet Explorer 9以降のハードウェアアクセラレーションにも対応し、CPUは非力でもスムーズなスクロールや動画再生処理など、高い処理能力を実現できていることが基調講演のデモで示された。
ARMを採用するメリットとして、電源管理に優れており、オンとオフの切り替えと電力消費抑制のバランスが取れていることも紹介された。ネットワークに対してバックグラウンドでオンライン状態を維持しながら、見た目ではスリープ状態で電力をほとんど消費しない状態のことを「Connected Standby」とMicrosoftは説明しており、タブレットデバイスなどのバッテリー駆動時を改善する機能の1つとして挙げている。
また、UEFIの標準サポートもハードウェアの特徴として挙げておきたい。UEFIはブートローダのGUI対応など使いやすさが向上したほかに、セキュリティなど管理項目を充実させ、2Tバイト以上のパーティションからのブートなどを可能にする。基調講演では、「UEFIにより最大260Tバイトのパーティションからのブートが可能だ」という冗談で会場を笑わせる一方で、シノフスキー氏が「現状では2Tバイトや3TバイトのHDDも当たり前になっている」とコメントし、技術の進化が想像を超えるスピードで限界を突破していく可能性をさりげなく示唆している。「ARMデバイスでWindowsが動作する」といった事実もまた、この進化の過程で実現できるものなのだろうか。
このほか、6月のイベントでも触れられたタッチセンサーの処理方法、スクリーンサイズ、センサー対応などについて、BUILDでも言及した。新情報としては、スクリーンサイズは16:9に“固執”するのではなく、あくまでMetroサポートに最低限必要となる解像度が明示された。この“ガイドライン”をはみ出た場合、レイアウトが100%再現されず、また、表示から漏れる情報がある可能性がある。センサーでは、従来の3種類のモーションセンサーに加え、Near Field Communications(NFC)の対応が明示された。利用ケースにはほとんど言及されなかったものの、これは興味深い動きだ。
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