コピペ、ダメ、絶対――それでもウィキペディアは利用する:大学生のデジタル事情(7)
大学のリポート作成にインターネットは欠かせない。概要を把握したり、引用文献から元の情報をたどるときにWeb検索はとても便利だ。コピペ? ああ、それ、すぐにばれるから。
リポートの作成に便利なWeb検索
以前お伝えしたとおり、リポート代行サービスを利用する学生を見たことはないものの、インターネット自体はリポート作成に欠かせないツールだ。参考書とWebブラウザを開きながら課題をこなすのが定番のスタイルで、教科書よりもWebで検索した解説ページのほうが分かりやすいこともある。
ただし、インターネットには不正確な情報も多く、「ウィキペディアなんて間違いだらけ(だから引用するな)」という教授は少なくない。それでも多くの学生は、ウィキペディアの引用文献から元情報をたどって参考にするなど、間接的な利用を続けている。最近はpdf形式の論文も増えており、検索ワードに「file:pdf」を入れたり、「Google Scholar」といった研究者向けのサービスを使うことも多い。
特に筆者は、長めのリポート作成に「Google Scholar」を愛用している。Googleと同じく検索オプションがついていて、著者と出版元、日付によって検索対象を絞り込める。例えば、引用文献に新しいものを選びたい時は、日付オプションで「2000-2011」のように指定する、といった使い方をする。
それでも、Web上の文章をそのままコピペして手軽にリポートの体裁をととのえようとする学生は、毎年必ず発覚して問題になる。一般教養などの受講生が多い授業でも、目ざとい教授によって学生の不正行為が指摘されるのはもはや恒例行事だ。
そうしたコピペ問題の抑止力として「ひょう窃検知サービス」がある。筆者も使ったことがあるが、Webサイト上に文書をアップすると、数秒で既存の書籍やWeb上の文章、生徒のリポートと照合を行い、類似点をパーセンテージで教えてくれるのだ。日本の大学ではあまりメジャーではないが、ひょう窃検知サービスは着実に利用者を増やしていると思われる。気をつけましょう。
丸山洋平(ぜせ)
関西の私大に通う大学院生。26歳。総合大学のなかで、情報系の研究科に籍をおきデータベース関連を学ぶ。研究とバイト以外はネット三昧の毎日。趣味は作曲とプログラミングで、たまにPHPで画像ファイルを収集したりする。
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