写真で解説する「Nexus 7」
Android 4.1を初めて搭載したタブレット「Nexus 7」が日本でも発売された。25日の発表会で実機に触れる機会を得たので、外観やソフトウェアの特長を見ていこう。
Googleの最新Android OSである「4.1」を搭載した初号機「Nexus 7」(ASUS製)が9月25日からGoogle Playで販売されたほか、10月2日に量販店でも発売される。価格は1万9800円(送料無料)。9月25日の発表会で、短時間ながら実機に触れる機会を得たので、見どころをリポートしていきたい。
Nexus 7は2012年7月から米国や欧州の一部地域で発売中。海外では8Gバイト版と16Gバイト版の2種類が用意されているが、日本で発売されるのは16Gバイト版のみ。海外モデルの価格は8Gバイト版が199ドル、16Gバイト版が249ドル。16Gバイトは必要十分なメモリ容量といえるが、外部メモリには対応していない。RAMは1Gバイト。通信機能はWi-Fiをサポートし、3G通信には対応しない。海外版でも3G通信に対応しているモデルはなく、今後Nexus 7の3G版が販売されるかは「未定」(Google説明員)とのこと。容量を除き、海外と日本向けモデルの違いはない。
本体のサイズは120(幅)×198.5(高さ)×10.4(厚さ)ミリ、重さは約340グラム。7インチクラスのタブレットは日本でも珍しくはなく、直近ではドコモからNEC製の「MEDIAS TAB UL N-08D」が発売されている。ちなみにMEDIAS TAB ULのサイズ/重さは約114(幅)×199(高さ)×7.9(厚さ※最厚部9.9)ミリ/約249グラムで、軽量薄型ボディという点ではMEDIAS TAB ULに軍配が上がる。2機種ともディスプレイはワイドXGA表示(800×1280ピクセル)対応の7インチ液晶だ。Nexus 7の裏側はラバー調に加工されており、高級感はそれほど感じられないが、滑りにくく手にしっかりフィットする。
外部インタフェースとして3.5ミリのイヤフォンジャックと、Micro USB端子を装備。充電はMicro USB経由で行える。左側面の下部に充電用の端子を搭載しており、卓上ホルダにセットして充電することもできる。卓上ホルダは現時点では発売されていないが、説明員によると、ASUS製の純正品がまもなく発売される予定だという。バッテリー容量は4325mAhで、スタンバイ時の連続使用時間は300時間、動画再生時間は8時間、音楽再生時間は50時間。リアカバーは取り外せない仕様なので、ユーザーがバッテリーの交換をすることはできない。NFCにも対応しており、対応機同士でアプリコンテンツを交換できる「Androidビーム」も利用可能だ。
ディスプレイ面に物理キーは搭載しておらず、Android 4.0の標準UIと同様に、画面下部のナビゲーションバーに「戻る/ホーム/マルチタスク」の仮想キーを備えている。物理キーは側面の電源キーと音量調節キーのみで、リファレンス機らしいシンプルな構成になっている。
裏面を見ても分かるように、Nexus 7はアウトカメラを搭載していない。カメラを利用できるのは120万画素のインカメラのみで、「カメラ」アプリもプリインストールされていない。主にWebチャットでの使用を想定しているが、「(Google Playに配信されている)他のカメラアプリをインカメラで使うことは可能」(説明員)だという。とはいえ、Nexus 7がエンタメ色が強いことを考えると(アプリやゲームなど、Googleはエンタメ用途での利用を主に訴求している)、低画素でも構わないのでアウトカメラは欲しかったと思う。
ホーム画面のUI(ユーザーインタフェース)は基本的にAndroid 4.0を継承しており、少し触った限りでは大きく変わっていない印象を受けた。ただ4.1では動作速度が全般的に向上しているとのことで、実際に触ったところ、ページの切り替わりなどは確かにスピーディだと感じた。ロック解除画面は、Android 4.0では通常のロック解除のほかに、カメラを呼び出せるショートカットが用意されているが、Nexus 7ではカメラの代わりにGoogle Nowのショートカットが置かれている。このロック解除画面のショートカットは「メーカーが自由にカスタマイズできる」(説明員)ので、4.0同様にカメラショートカットも置ける。
プリインストールアプリは「メール」「電卓」「時計」「ミュージック」といった基本機能や、「Gmail」「マップ」「Google+」「Playムービー」「Playブックス」などGoogleサービスのアプリのみに抑えられている。デモ用に入っていたゲームアプリを除くと、展示機のプリインアプリは26個。ホーム画面にはPlayブックスで購入した書籍やPlayムービーで購入した映画などのコンテンツが大きく表示される(表示内容はランダムだという)。通知バーはスマートフォンと同様に、画面上部から下へスワイプすることで現れ、ここから「設定」にもアクセス可能。機内モードやGPSなどを設定できる通知パネルはない、簡素なUIは相変わらずだ。スクリーンショットはAndroid 4.0と同様に、電源キーと音量ダウンキーを同時に押すと撮れる。
Nexus 7では標準ブラウザとしてChromeを採用しているのも特徴の1つ。PC向けブラウザと同様に1画面に複数のタブが表示され、ワンタップで簡単にタブを切り替えられるほか、レンダリングをはじめとする表示スピードも従来の標準ブラウザから向上しているという。なおNexus 7には従来の「ブラウザ」アプリは用意されていないが、Android 4.1搭載機で「ブラウザ」アプリが利用不可になるわけではないとのこと。リファレンス機ということで、Google純正のブラウザが採用された形だ。
Android 4.1搭載機から利用できる「Google Now」は、天気、交通状況、予定などをプッシュで通知してくれる新機能。Google Nowで用意される各コンテンツは「カード」と呼ばれる。現在地の天気、現在地に近い駅に到着する電車の時刻、到着時間から逆算して予定地へ出発するための出発時刻を通知するなど、GPSをベースにしたカードが多いのが特徴だ。「スポーツ」のカードでは、メジャーリーグの試合結果も把握できる(日本のプロ野球は残念ながら対応していない)。Google Now専用のページから、提供中のカード一覧を確認でき、使わないカードをオフにもできる。ドコモの「iコンシェル」と似ているが、Google Nowは現時点ではGoogleのみがカードを提供しており、iコンシェルのように外部のCPがコンテンツを提供する環境にはなっていない。ただ、GoogleのAndroid製品 マネジメント・ディレクターのヒューゴ・バラ氏によれば、カードは今後さらに増える予定だというので期待したい。
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