Windows 7のメインストリームサポート終了が意味すること:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
2015年1月13日(米国時間)、Windows 7の「メインストリームサポート」が終了した。以後は2020年1月14日まで「延長サポート」の期間となる。今回のメインストリームサポート終了は、どのような意味を持つのだろうか。
今後の傾向と対策、すべてはWindows 10次第?
結局のところ、Windows 7のサポート期間に関する問題は、過去の記事でも紹介した「IE11のサポート」と「Windows 7のユーザー比率」という部分に帰結する。
何らかの理由(おそらくは後方互換性問題)でWindows XPを使い続けてきた企業ユーザーが、OSのサポート終了とともにWindows 7+IE11へと乗り換えており、Windows 7の延長サポートが終了する2020年に再び「第2のWindows XP」となる可能性があるということだ。
Net Market Shareの調査によると、2014年8月時点では51.22%だったWindows 7のシェアだが、最新の12月のデータでは56.26%へと拡大しており、Windows 8/8.1への移行は思うほどには進んでいない(トータルで1%ほどは増えているのだが……)。
すべては今年後半に登場する予定の「Windows 10」にかかっているわけだが、同時に「後方互換性」を主眼にWindows 7を使い続けているユーザーは、そろそろ次を見据える時期に入ったといえる。
特に「Windows XP時代からの遺産」を引き継いでいるケースでは、より真剣にプラットフォームの移行を検討する必要があるかもしれない。最大の問題は、「(XPを含む)Windows 7以前の資産」が同OSの延長サポート終了後も継承されない可能性がある点だ。
IE11の後継(もしくは改良版)となるブラウザは引き続きWindows 10でも提供される見込みだが、これはWindows 7の延長サポート終了を見込んだ同ユーザーの救済策としての意味合いが強い。Microsoftの意図としては「Windows 10の提供後に7からのプラットフォーム移行を行い、徐々に旧来の資産への依存を減らしていってください」というところだろう。
そのWindows 10だが、発売後1年間はWindows 7/8.1に対して、無償でアップデートが提供されることが明らかになった(エディションによっては含まれないものもある)。
これまでのWindowsにはない、発売直後から一気に普及を図る大胆な施策だが、新OSにありがちな安定性の問題や、既存環境との互換性検証および新環境への移行作業などを考慮すると、1年という期間は長くない。特にビジネスユースでは、Windows 10の評価は早めに進めておいたほうだよさそうだ。
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