米国でどっこい生きてたVirgin Mobile WiMAXを使う:いまだ健在なり(2/2 ページ)
「もう電波止まっているんじゃないですか?」といわれるほどに影が薄くなった米国のWiMAX。しかし、ラスベガスでエリアを確認できた。再開からWiMAXの現況を報告する。
2014年、Virgin Mobileの再開に手間取る
しかし、ClearwireのWiMAXがモバイルルータとプラン契約で150ドル、そして、翌年にVirgin MobileのWiMAXにモバイルルータとプラン契約で155ドルと、安く済ませるはずだった現地調達が、日本キャリアのローミング利用以上に高くかかっているのではないか?
それゆえ、2014年のCES取材では、119ドルで購入したOVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOTを無駄にすることなく、支払用のVirgin Mobile TopUpカードを購入して再開することにした。契約時に作ったVirgin Mobileのアカウントに、「どこでも購入できる」TopUpカードで35ドルをリチャージすれば、WiMA/3Gデータ通信プランを再開できる。
TopUpカードは街のコンビニで簡単に購入可能、のはずだった。しかし、2014年1月のラスベガスで、Virgin MobileのTopUpカードはどこに行ってもみつからなかった。理由は分からないが、当時、Virgin Mobileの製品はTopUpカードだけでなく、プリペイドフォンなどもほとんど姿を消していた。こうして、2014 CESの取材ではOVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOTを再開できないまま取材に突入して、とても苦労することになる(後日、Virgin MobileのWiMAX/3Gプランを再開することができたが、その方法は“何かの間違いでたまたまできた”可能性もあるため、ここで紹介するのは控えたい)。
2015年のCES取材のために渡米したとき、2014年の戦訓を生かすべく、最初からVirgin Mobileのリアル店舗に突撃して、TopUpカードを購入することにした。海外取材に詳しい(年齢的ではなく経験的に)先輩からは、「もう米国のWiMAXサービスは死んでいるに等しい。電波も飛んでいないのでないか」と警告されていたが、Virgin Mobileのカバレッジマップでは、とりあえずラスベガスの「4G(WiMAX)」はエリアがあることになっている。
問題はVirgon Mobileショップが残っているかだ。街のコンビニだけでなく大型家電量販店からも製品が消えつつあったVirgin Mobileがコストのかかるショップを撤収している可能性は高い。Virgin Mobileの「Find a Store」では、自分がいる場所から近くにあるVirgin Mobileショップをリストで表示してくれる。
とはいえ、そこは米国サイズの「近所」なので、歩いてはとてもいけない。となると、車、だ。しかし、タクシーは高い。とても高い。ちょっと乗っても往復3000~4000“円”はいってしまう。となるとバスだ。ラスベガスにはメインストリートを走る路線バスがある。しかし、目指す最寄りのVirgin Mobileショップはメインストリートから大きく外れている。土地の人が使う路線バスは一見ハードルが高そうだが、Gooogle Mapsを使えば、乗るバス停から乗り換えるバス停、降りるバス停、そこに到達するまで使うするバス停の数まで教えてくれる。都営バスや地元の東急バス並みに使いこなせる。ありがたいありがたい。
バスを乗り継いでたどり着いたVirgin Mobileショップは、小さくて暗くて品ぞろえが少なかった。肝心のTopUpカードは、な、おい、40ドルのものしかない。おーい、せっかくここまで来たのに35ドルのTopupがないぞ。
1人しかいないショップスタッフに「さ、さ、さ、35ドルのTopUpカードの在庫はありませんか」と聞いてみると、「ん、TopUpカード? なにしたいんだ? リチャージしたい? 君はアカウント持っているのか? え、持っている、おー、日本人なのにVirgin Mobileのユーザーかい。君の名前は?、ショップの端末でリチャージして開通してネットワークがつながったか確かめてあげるよ」
とっても親切なスタッフのおかげで、何もすることなく、ものの2~3分でOVERDRIVE PRO 3G/4G MOBILE HOTSPOTは再開した(そこにたどりつくまでの意思疎通で30分かかってるが)。いったん再開すれば、Virgin Mobileが提供するWiMAXはラスベガスの所要エリア(メインストリート界隈やCES会場のLVCCなど)、空港でほぼ使える。ただ、室内で使えるエリアは2013年当時から改善していないようだ。それでも、巨大なホテルやLVCCの内部にあるプレスセンターでWiMAXが圏内になっているなど、要所要所で使えるように屋内基地局は維持しているらしい。
なお、2014年の苦労した経験から、街中にはないと思いこんでいたVirgin MobileのTopUpカードだが、ラスベガスの大規模家電量販店や街中のスーパーマーケット(Walgreens)で見つけることができた(ぐあー、あのバスを“苦労”して乗り継いでショップに行った時間は何だったんだー)。
以上のようなわけで、2013年のCES取材で私と一緒にBest BuyでイナゴのごとくVirgin MobileのモバイルWiMAXルーターを購入した日本人関係者の皆さんは、米国取材で安心して再開していただければ、と思う。
関連記事
CES開催“前前前日”に“プリペイドのWiMAX”を買ってしまった
2012年も仕事始めはCES! PC USER取材班は何のトラブルにも遭遇することなく、会場のラスベガスに到着した。よーし、ならば“高速”接続環境を調達するか。海外プリペイドSIM導入マニュアル──「ラスベガスLTE+メキシコ・ティファナ 2014年」編
年明け早々の2014 International CES取材、今回とくに使い勝手がよかったのがAT&TのLTE回線だった。もう1つ、アメリカから徒歩で行けるメキシコ・ティファナのおまけ情報も加えてお届けする。海外プリペイドSIM導入マニュアル──「アメリカ・シカゴ2013年」編
アメリカの各都市では2013年現在、4G──LTEやWiMAXサービスが、海外渡航者に便利な“プリペイド”でも普通に利用できるようになっている。今回はシカゴでWiMAXと、1日3ドルで利用できる3G SIMカードを購入してみた。英語力ゼロのオレがLAでWiMAXルータの現地調達に挑戦
最先端ITの本場、米国。「海外旅行者でも割安でプリペイド通信を利用できる」「SIMフリーのスマホがザックザク」など、独特のモバイル文化があるらしい……。果たしてその恩恵は“英語力ゼロ”でも享受できるのか? 海外旅行13年ぶりのライターが、ロサンゼルスの街で実践してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.