Windows 10標準ブラウザ「Edge」は2016年から本気を出す?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
MicrosoftはWindows 10で標準のWebブラウザを「Internet Explorer」から「Edge」に切り替えたが、新アプリゆえに課題は少なくない。今後のEdgeはどうなるのだろうか?
EdgeのJavaScriptエンジン「Chakra」がオープンソースに
Edgeに関しては、もう1つ大きなニュースがある。Microsoftは12月5日(米国時間)、JSConfという開発者会議において、JavaScriptエンジン「Chakra」のコアコンポーネントを「ChakraCore」としてオープンソース化することを発表した。
Edgeはレンダリングエンジン「Trident」とJavaScriptエンジン「Chakra」の基幹技術をIEからそのまま受け継いでいるが、このうち片方がオープンソース化されるということだ。正確には、Edgeで用いられているのは「EdgeHTML」であり、これはTridentからレガシーサポートを省いて分化(Fork)したものである点に注意したい。
一方で、今回オープンソース化されるChakraCoreは、ほぼChakraそのままの存在で、違いはUniversal Windows Platform(UWP)やWebブラウザとの接続部分など、EdgeやWindowsプラットフォーム固有の部分だけとなる。基本となるJITや仮想マシンのような実行エンジン部分は含まれるため、コードを解析して技術を理解するのに役立つだろう。
2016年1月以降、GitHub上にコードや必要なドキュメントが公開されるという。公開当初はサポートするプラットフォームがWindowsに限られるが、OS XやLinuxなど他のプラットフォーム対応も目指す。
MicrosoftがChakraCoreの公開で何を得て、どのような将来図を描いているのか、未知数な部分が大きい。Webブラウザのシェアではまだ比較的大きな勢力を誇るMicrosoftの製品だが(IEも含む)、スマートフォンでの対応や機能面では後発となる傾向が続いており、ここで開発者らの目をもう一度Edgeに向けさせたいという願いがあるのかもしれない。
Net Market Shareによるデスクトップブラウザのシェア。調査会社によってかなり傾向が異なり、Net Market ShareはIEのシェアがかなり高く出やすい(Statcounterではこの半分程度)
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