強引なWindows 10アップグレードに不満噴出でやっと折れたMicrosoft:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
旧OS環境を使い続けたいユーザーにとって厄介な「Windows 10を入手する(Get Windows 10)」アプリ。Windows 10へのアップグレード予約を自動で行い、キャンセルしづらいことが問題視されているが、次回のWindows Updateではついに改善される。
なぜ今になってGWXアプリを変更したのか
こうした変更の理由だが、マイヤーソン氏は「ユーザーのフィードバックを反映した結果」と語る。
しかし、Microsoftは半年前の2015年末には、GWXアプリをWindows Updateにおける「オプションの更新プログラム」から「推奨される更新プログラム」へと格上げし、多くのWindows 7/8.1ユーザーが半ば強制的にWindows 10のアップグレードへと誘導されるようにしていた。
それにもかかわらず、無料アップグレード期限直前というギリギリのタイミングでWindows 10への移行をキャンセルしやすいように仕様変更したのは、「いよいよユーザーからの批判が無視できないレベルになったこと」が大きな理由だと考えられる。
Microsoftの急な方針変更について、実のところユーザーの心象はあまりよくないだろう。これまでのGWXアプリで気付かないうちにアップグレードへ誘導され、望まない形でWindows 10に移行してしまったようなユーザーは、「何を今更」と思うかもしれない。
2016年7月29日の無料アップグレード期間終了まであとわずかだ。以後はGWXアプリが無効になり削除される模様で、その役目を終える日も近い。Windows 10への無料アップグレードに関する不満やトラブルは、7月29日前後をピークとして、徐々に収まっていくとみられる。
とはいえ、Microsoftの一連の強引なWindows 10無料アップグレード推進策に問題があったことは明らかだ。同社はこの教訓を生かして、Windows 10のさらなる改良を今後も続け、新OSの品質向上でユーザーを納得させていってほしい。
関連キーワード
Windows | Windows 10 | Microsoft | Windows Update | 鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
関連記事
過激なWindows 10アップグレード推進策でMicrosoftが失うもの
タダだからといって、ユーザーが望まない新OSへの移行を強引に進めてもいいのか。MicrosoftのWindows 10無料アップグレード推進策は、同社の信頼性を損ねる危険もはらんでいる。無料アップグレードは来月終了 Windows 10の導入を迷っている人へ
来月に迫ったWindows 10無料アップグレード期限。無料のうちにWindows 10にアップグレードすべきなのか。まだ導入していないユーザー向けに注意点をまとめた。強引なWindows 10アップグレードは回避すべきか、受け入れるべきか
「突然インストールが始まって困った」と批判の声も多いWindows 10の強引な無料アップグレード推進策。Windows 7/8.1搭載PCは、無料のうちにWindows 10を導入すべきなのだろうか。Windows 10のアップグレードは強制になったわけではない ただし、Windows 7/8.1ユーザーは要注意
今後Windows 7/8.1でWindows Updateを自動更新に設定していると、知らない間にWindows 10へのアップグレード用プログラムが導入されるようになる。Windows 10のインストール自体はキャンセルできるが、注意が必要だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.