強引なWindows 10アップグレードに不満噴出でやっと折れたMicrosoft鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2016年06月30日 06時00分 公開
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なぜ今になってGWXアプリを変更したのか

 こうした変更の理由だが、マイヤーソン氏は「ユーザーのフィードバックを反映した結果」と語る。

マイヤーソン氏 米MicrosoftでWindows開発の総責任者を務めるテリー・マイヤーソン氏

 しかし、Microsoftは半年前の2015年末には、GWXアプリをWindows Updateにおける「オプションの更新プログラム」から「推奨される更新プログラム」へと格上げし、多くのWindows 7/8.1ユーザーが半ば強制的にWindows 10のアップグレードへと誘導されるようにしていた。

 それにもかかわらず、無料アップグレード期限直前というギリギリのタイミングでWindows 10への移行をキャンセルしやすいように仕様変更したのは、「いよいよユーザーからの批判が無視できないレベルになったこと」が大きな理由だと考えられる。

 Microsoftの急な方針変更について、実のところユーザーの心象はあまりよくないだろう。これまでのGWXアプリで気付かないうちにアップグレードへ誘導され、望まない形でWindows 10に移行してしまったようなユーザーは、「何を今更」と思うかもしれない。

 2016年7月29日の無料アップグレード期間終了まであとわずかだ。以後はGWXアプリが無効になり削除される模様で、その役目を終える日も近い。Windows 10への無料アップグレードに関する不満やトラブルは、7月29日前後をピークとして、徐々に収まっていくとみられる。

 とはいえ、Microsoftの一連の強引なWindows 10無料アップグレード推進策に問題があったことは明らかだ。同社はこの教訓を生かして、Windows 10のさらなる改良を今後も続け、新OSの品質向上でユーザーを納得させていってほしい。


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