PC USER Pro

強引なWindows 10アップグレードは回避すべきか、受け入れるべきか鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2016年06月03日 00時00分 公開

無料でもWindows 10にアップグレードしない人々

 Windows 7/8.1からWindows 10への無料アップグレード期間が、2016年7月29日に終了する。これに伴い、Microsoftは旧Windows OSユーザーに対するWindows 10への“巻き取り”を加速させている状況だ。

windows 10 Windows 10の無料アップグレードは2016年7月29日に終了となる

 7月29日の無料アップグレード期限を過ぎると、PC向けWindows 10は有料になる(米国ではWindows 10 Homeが119ドル)。現時点で日本のMicrosoft Storeではダウンロード版とUSB版が販売されており、直販価格はWindows 10 Homeが1万9008円、Windows 10 Proが2万7864円(いずれも通常版、税込)だ。自作PCユーザーならPCパーツと一緒に数千円安いDSP版を購入するという選択肢もある。いずれにせよ、アップグレードするつもりのユーザーは、無料期間を逃さないようにしたい。

windows 10 Microsoftで販売されているWindows 10 HomeとWindows 10 Proの通常版

 日本マイクロソフトによれば、世界的に見て日本のユーザーはどちらかといえば終了期間ギリギリまでアップグレードをしない傾向にあるという。しかし、「ギリギリで無料アップグレードできませんでした、ということにならないよう早めのアップグレードをおすすめします」というのが同社のスタンスだ。

 もっとも、現時点でWindows 10に無料アップグレードできるにもかかわらず、旧OSのまま使い続けているというのは、何らかの理由で導入を保留しているか、導入する気がないのか、あるいは無料アップグレードプログラムについてよく知らない(PCに詳しくないからよく分からない)といった人々だろう。そうしたユーザーは、無料でも強くアップグレードをすすめられることを望まないかもしれない。

Microsoftが進める強引なWindows 10普及策

 そんな中、Microsoftは2016年春から、対応するWindows 7/8.1搭載PCの環境ならば、ほぼ強制的にWindows 10のアップグレードが自動実行されるという施策を始めており、これが物議を醸している。PCを使っていてある日突然Windows 10へのアップグレードプログラムが自動実行され、困惑しているといったユーザーの報告がTwitterなどで相次いでいるのだ。

 従来、Windows 10への無料アップグレードプログラムは、対応PCにWindows Updateで「Windows 10を入手する(Get Windows 10)」アプリ(以下、GWXアプリ)が自動的にインストールされ、このアプリがタスクトレイで通知を行い、そこで「予約」を行った場合にのみ、Windows 10のインストールが始まるという手順だった。

windows 10 UG 初期の「Windows 10を入手する(Get Windows 10)」アプリ。Windows 7 SP1/Windows 8.1 Updateの正規版を利用するユーザーのタスクトレイにはWindowsマークが出現し、これでWindows 10アップグレードの予約が可能になっていた。この頃はかなり控えめな表示だ

 Windows 10の一般公開(2015年7月29日)後にはGWXアプリもアップデートされ、画面内に「今すぐアップグレード」と「ダウンロードを開始し、後でアップグレード」の2つのボタンが搭載された。アップグレードしたくなければ、右上の「×」ボタンを押すことでキャンセルできるといった仕様だ。

 このGWXアプリはくせ者で、不要だからと何度削除しても、たまのWindows Updateで復活する現象が見られたが、この段階では放置しておいてもWindows 10にアップグレードされることはなく、大きな問題にはならなかった(ただし、勝手にバックグラウンドでダウンロードが始まり、ストレージ容量を圧迫することが一部で問題視されていた)。

windows 10 UG その後に更新されたGWXアプリ。この段階ではウィンドウ内の選択肢は「今すぐアップグレード」「ダウンロードを開始し、後でアップグレード」の2つで、右上の「×」ボタンを押せばキャンセルして閉じられる仕様だった

 しかし2016年3月頃になると、GWXアプリに表示されるボタンは「今すぐアップグレード」か「今夜アップグレード」の2つのみという、いずれにしてもWindows 10の早急な導入しか選択肢がないような表示に変化した。その隣にある目立たない「時刻を指定」という文字をクリックすることで、アップグレードのタイミングを変更可能だが、やがて何もしないと自動的にアップグレード日時が指定されてしまうようになる。

windows 10 UG 2016年4月頃のGWXアプリ。この時点では予約は強制されていないが、「今すぐアップグレード」か「今夜アップグレード」という2つのボタンにプレッシャーを感じる。「時刻を指定」という文字をクリックすれば、アップグレードのタイミングを変更可能だ
windows 10 UG その1週間後のGWXアプリ。予約ボタンをクリックした記憶がないが、既にWindows 10へのアップグレード日時が自動的にセットされて予約が完了している状態となった。ここで「予定の変更」をクリックすれば、スケジュールの変更やキャンセルが可能だが、気付かないままでいると表示された日時にアップグレードが自動で始まってしまう

 そして、5月にはいよいよユーザーが予約していなくても「アップグレードの時間を強制指定」する方針へ切り替わったことが告知され、実際に手動で日時を変更しないと、強制的にWindows 10へのアップグレードが実行されるようになった。この変更は分かりにくいもので、多くのユーザーが「PCを使っていたら、勝手にWindows 10をインストールし始めた」と混乱したというわけだ。

windows 10 UG Windows 10への無料アップグレードが可能なWindows 7/8.1搭載PCでは、GWXアプリがタスクトレイ上で通知を行う。このポップアップ表示も何度かデザインが変更されており、こちらは5月に更新後の画面だ。画面下の「ここをクリックすると〜」をクリックすると、アップグレードのスケジュール変更やキャンセルが行える。右上の「×」をクリックしてもキャンセルしたことにならないのが分かりづらい
windows 10 UG 5月に更新されたGWXアプリを開くと、このようにWindows 10のアップグレードが自動予約されている。「ここをクリックすると〜」の文字をクリックすると、スケジュールの変更やキャンセルが可能だが、クリックできる領域は「ここ」の2文字とますます小さく分かりづらくなった

 これに対し、日本マイクロソフトのサポートチームは5月21日、Windows 10へのアップグレードが開始された後にキャンセルする手順を動画で公開した。この手順通りに操作すれば、意図せずWindows 10のアップグレードが始まってもキャンセルできる(ただし、Windows 10のアップグレードが始まってから、この動画を再生するのには別のデバイスが必要)。

windows 10 UG 日本マイクロソフトのサポートチームは、Windows 10のアップグレードが開始された後のキャンセル方法を動画で公開した

 また、Windows 10へのアップグレードを抑止する方法(GWXアプリの通知を非表示、Windows Update経由のアップグレードをブロック)も紹介している。Windows 10にアップグレードしないと決めたユーザーは、この設定を試してみるといいだろう。

 ただし、2016年7月29日にWindows 10の無料アップグレード期間が終了した後は、GWXアプリが無効になり削除される模様だ。無理にGWXアプリを抑止せず、あと2カ月ほど我慢するという手もある。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月20日 更新
  1. Windows 11(24H2/25H2)の新「スタートメニュー」で問題発生 追加/削除したアイコンの反映にタイムラグ (2026年04月17日)
  2. アキバは早くもGWモードに! 20万円購入でゲーミングディスプレイをもらえる大盤振る舞いも (2026年04月18日)
  3. Googleの「パーソナル インテリジェンス」が日本でも提供開始/Windows 11の初回セットアップ時にOSアップデートがスキップ可能に (2026年04月19日)
  4. 最新PCサブスクからオンデバイスAI、カラフルなエッジPCまで「情シスの負担を減らす」最前線を見てきた (2026年04月19日)
  5. 複雑な設定不要で高精度な造形ができる3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」が25%オフの2万9999円に (2026年04月17日)
  6. 「DJI Osmo Pocket 4」速攻レビュー Pocket 3から買い換える価値はある? 進化したポイントを実機で比較した (2026年04月16日)
  7. キングジム、「ポメラ DM250」にクリアパープル筐体採用の特別モデル 500台限定 (2026年04月17日)
  8. Appleはいかにして「今日のAIやWeb」を予見したのか? “暗黒時代”とも呼ばれた1985〜1996年の光と影 (2026年04月17日)
  9. IntelがNPU内蔵エントリーCPU「Core シリーズ3」を発表 (2026年04月17日)
  10. Xiaomiの格安タブレット「REDMI Pad 2」シリーズも値上げ 部材高騰で最大1万円増 (2026年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年