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Let'snoteの「ふるさと」はどんな感じ?――パナソニック神戸工場見学記(2/2 ページ)

パナソニックのノートPC「Let'snote」は、神戸市西区にあるパナソニック神戸工場で作られている。一体、どのような工場なのだろうか?

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カスタマイズ・サービス

 「カスタマイズ・サービス」に関する取り組みは、主に法人ユーザーやWeb直販で購入した個人・SOHOユーザーに向けたものとなる。

 法人向けの「一品一様カスタマイズ」では、企業の要望に応じてソフトウェアのインストールやハードウェアのセットアップなどを行っている。本来の製品仕様にはないハードウェアのカスタマイズにも対応しているという。Web直販モデルについては、量販店モデルにはない構成やオプションを選択できるようにしている。

 修理サービス面では、特定法人とWeb直販購入者を対象とするコールセンターを神戸工場内に設置。特にWeb直販購入者については年中無休でサポート対応している。修理センターも神戸工場内にある。量産過程における問題点が故障の原因であった場合、量産ラインにすぐさま反映され、次期モデルにおける開発上の留意点に加わる。生産と修理を同じ場所で行っていることの大きなメリットだ。

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カスタマイズとサービス面では、法人向けを中心にきめ細かい対応を行っている

Web直販「パナソニックストア」では、店頭販売モデルにはない構成・オプションを選択できる。もちろん、神戸工場内で生産・カスタマイズされる

体験型実証ショウルーム

 神戸工場は「体験型実証ショウルーム」として、工場全体をショウルーム化している。パナソニックの技術を実際に見てもらうことでより安心してもらおうという狙いもあるが、自らが自社PC・タブレットの「導入事例」となることで法人ユーザーにより具体的な提案を行う意図も込められている。また、法人が要求する仕様を工場内で検証できるようにもしているという。

 2016年度の「ショウルーム」来場者数は、2017年1月末次点で2058人とのことだ。


神戸工場自身を「導入事例」にして、パナソニックPC・タブレットの技術と合わせて体感できるようにする「体験型実証ショウルーム」化の取り組み

米国の警察において導入されているTOUGHBOOKを使ったパトカー用システムの体験。パトカーは納入先の警察と同じ仕様のものを米国から直輸入したそうだ

生産工程で使っていたマニュアル(右)を電子化する際に導入されたTOUGHPAD(左)。これも「ショウルーム」展示の1つとなっている

「AI」や「ロボット」を活用して納期短縮・品質向上

 現在、神戸工場ではさらなる品質向上・納期短縮を目指してAI(人工知能)やロボットの活用を模索している。

 納期面では過去の受注状況や商談情報をAIで分析し、受注とほぼ同じタイミングで生産・納品まで進める「ほぼ即納」を目指すという。開発・生産面では設計・検証のバーチャル化を進め、試作なしで短期間で高品質な製品を開発し、人と設備(ロボットや機械)を融合して迅速かつ柔軟な生産を行えるようにするという。ロボットの導入には、人の経験に頼らずに高品質で安定したものづくりを実現しようという意図もある。先述のトレーサビリティシステムや故障予兆システムについても、さらにブラッシュアップしていくという。

 これらの取り組みは6年先を見越したものではあるが、一部はすでに生産ラインにも導入されている。今後、費用対効果を勘案しつつ、活躍の場を増やしていくことになりそうだ。


神戸工場の強みをさらに強固なものにすべく、AIやロボットの活用を検討している

画面出力(内蔵液晶・外部出力)を検査する「官能検査」は自動化することで検査時間が1台あたり約48秒短くなった上、検査員によるバラツキを抑えられるようになった

完成した基板(マザーボード)を検査する双腕ロボット。XZ6シリーズの量産に合わせて導入された新型だ

こちらは従来から基板検査を担当してきた片腕ロボット

取材協力:パナソニック株式会社

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