Windows 10の大型アップデートは「Fall」なのか「Autumn」なのか問題:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
2017年秋に配信される予定のWindows 10次期大型アップデートと言えば「Fall Creators Update」だが、季節の秋を「Fall」ではなく「Autumn」と呼ぶ地域ではどう紹介されているのか。
MicrosoftはWindows 10の大型アップデート周期を3月と9月の年2回に固定しており、現行の「Creators Update(1703)」に続く「Fall Creators Update(1709)」は2017年9月に登場する予定だ。
秋にリリースされるCreators Updateに連なる大型アップデートという意味で「Fall Creators Update」と名付けられたわけだが、このネーミングについてちょっとした問題が発生したので紹介したい。
幻となった「Autumn Creators Update」
学校で英語の授業を受けたとき、四季の「秋」を意味する単語には「Fall」と「Autumn」の2つがあると習ったことだろう。Fallが米国英語で、Autumnが英国英語と説明されたかもしれない。また、2つの地域で同じ意味を持つ別の単語が使われていると認識されているが、実際には適時さまざまな形で使い分けがされており、単純に地域で区分けできるものではないとの指摘もある。
Microsoftは米国に本社があるので、当然ながらほとんどのケースで利用しているのはFallだ。一方、Windows 10は世界各地に展開しているOSなので、英語圏でもFallという単語があまり使われない地域もある。こうした地域ではFall Creators Updateがどのように呼ばれていたのかというと、実は「Autumn Creators Update」となっていた。
英国のMicrosoft公式サイトを見ると、米国サイトではFallと書かれていた部分が、Autumnに差し替えられていた。ざっと調べたところ、旧を含む英国連邦圏にあたる国と地域、例を挙げると、香港、シンガポール、マレーシア、インド、アイルランド、南アフリカあたりはAutumn Creators Updateとなっていたようだ。
興味深いのはカナダで、英語版サイトでは「Fall Creators Update」とあるが、フランス語版サイトでは「a jour d’automne de Windows 10 Createurs(Windows 10 Creatorsの秋のアップデート)」と書かれていた。実はフランスのフランス語版サイトでは「Fall Creators Update」と米国同様の表記だが、これとは大きく異なる。
基本的には「英国の流れをくむ英語が公用語の国ではAutumn Creators Updateで、それ以外は全部Fall Creators Update」と分けられていたようだ。
ここまで「なっていた」などと過去形で書いたのは、既にこうした表記揺れが修正されたからだ。テクノロジー関連ブログの米Ars Technicaによれば、一部英語圏の地域でAutumn Creators Updateと紹介したのは誤りであり、世界的にFall Creators Updateに統一される旨を米Microsoftが認めたという。実際、Autumn Creators Updateの表記はFall Creators Updateに順次切り替わっている。
カナダのフランス語版サイトについても「a jour Windows 10 Fall Creators Update」と書き換わったが、ここでのFallは秋という季節を強調するわけではなく、あくまで固有名詞の「Fall Creators Update」としてブランディングされるようだ。これは、オーストラリアやニュージーランドなど南半球では季節が逆転し、リリース予定時期が春になることも考慮されている。
ワールドワイドで製品展開するMicrosoftにしてはネーミング規則がフランクだ、と言えば聞こえがいいが、安直であまり深く考えていなかった……ということだろうか。
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