Windows 10大型アップデート「April 2018 Update」は何が新しくなったのか:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
ギリギリ4月に間に合わせたWindows 10の大型アップデート「April 2018 Update(1803)」。その変更ポイントをチェックする。
eSIM搭載のWindowsデバイスをより便利にする拡張機能
Microsoftが推進する「Always Connected PC」構想に対応した「eSIM」の新機能も強化ポイントに挙げられる。これはApril 2018 Update以降にサポートされたオンラインプロビジョニング機能に対応したものだ。
従来のWindows 10の標準機能である「モバイルプラン」は、データプランの決済をMicrosoftストアで行う仕様だったが、新たな「モバイル通信プラン」では通信事業者が提供するサービスで決済できるようになった。ユーザーは、キャリアを指定して、SIMの抜き差しなく直接データプランの購入が可能になるわけだ。
エンタープライズ向けのセキュリティ対策も強化
エンタープライズ向けには、セキュリティ対策機能の「Windows Defender」が強化された。一般ユーザーには直接関係ないが、Windows Defenderの製品群に含まれる「Application Guard(WDAG)」と「Advanced Threat Protection(ATP)」の機能が拡張され、WDAGの仮想ホスト内でのファイル転送や、ATPでのHexadite(Microsoftが買収したセキュリティ企業)の自動化技術による脅威対応の半自動化が可能になっている。
この他、エンタープライズ向けには新しいUIの管理コンソールが提供されており、旧バージョンのOSを含めたITシステム全体の管理が行いやすくなっている。企業クライアントPC向けにApril 2018 Updateの展開が本格化する2018年後半以降を見据え、企業のIT管理者などはこうした変更点をチェックしておく必要がある。
関連キーワード
Windows 10 | 大規模アップデート | Microsoft | Creators Update | 鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
関連記事
Windows 10大型アップデート「April 2018 Update」発表 4月30日に配信開始
2018年春のWindows 10大型アップデートは、正式名称が「April 2018 Update」となった。4月30日(米国時間)に配信がスタートする。Windows 10春の大型アップデート「1803」は4月中に配信できるのか
「Redstone 4(RS4)」と呼ばれる2018年春のWindows 10大型アップデート「1803」は、バグ問題でスケジュールが遅れていると伝えられているが、4月中に配信できるのだろうか。ここに来て、新たな名称候補も浮上してきた。バグ問題でWindows 10春の大型アップデート「1803」配信開始に“待った”か
「Redstone 4(RS4、1803)」の開発コード名で呼ばれ、最近では「Spring Creators Update」の名称がうわさされているWindows 10の2018年春アップデートだが、一般ユーザー向け配信の前に“待った”がかかった状態のようだ。2018年春のWindows 10大型アップデートが完成か 見え始めたRedstoneの終わり
2018年4月に配信が始まる予定のWindows 10次期大型アップデート。いよいよ完成のとき、一昔前のWindows OSでいえば「RTM(Release To Manufacturing)」の時期が到来したようだ。「他のセキュリティ対策ソフトはもういらない」とアピールするWindows Defenderの現状
Windows標準のセキュリティ対策機能は“オマケ程度”という認識はもう過去のもの。Windows 10の世代では、Microsoftがセキュリティ対策を大幅に強化しており、最新のセキュリティ動向を考慮したアップデートも続けているのだ。Microsoftの大規模な組織改編は何を意味するのか
2013年以来となる5年ぶりの大規模な組織改編を発表した米Microsoft。それが何を意味するのかを考察する。Windows 10次期大型アップデートは「Spring Creators Update」へ 完成間近に新機能も
Windows 10次期大型アップデート「RS4」の提供が2018年4月に迫っている。Microsoftからの発表はまだないが、正式名称は「Spring Creators Update」になるようだ。Windows 10次期大型アップデート「Redstone 4」の開発は最終段階へ 「Redstone 5」のプレビュー登場
Windows 10次期大型アップデート「Redstone 4」の開発が最終段階に差し掛かる中、その次の大型アップデートである「Redstone 5」のプレビュー版がWindows Insider Programに登場した。「Windows 10 S」を新しい動作モードとして広めようとするMicrosoft
Microsoftの「Windows 10 S」に対するスタンスが変化しつつある。一部には「Windows 10 Sは死んだ」といった論調の報道もあるが、実際は死んだどころか、むしろ特定用途ではメインストリーム製品としてプッシュする勢いで扱いが変わってきているのだ。初の“Windows on Snapdragon”マシン「HP Envy x2」が3月出荷へ 999.99ドルで発売
2018年春の発売と予告されていた「Windows on Snapdragon」マシンの「HP Envy x2」が、米HPのオンラインストアに登場した。価格は999.99ドル、出荷開始は3月9日まで。次世代のWindows 10とウワサされる「Polaris」とは何か
Microsoftがデスクトップ、ノート、2in1タブレットなどのPC製品向けに“新しい”Windows 10を開発中とのウワサがある。「Polaris」と呼ばれるこの新OSの謎を追う。稼働6億台を超えたWindows 10はうまくいっているのか
リリースから3年で10億台のデバイス数を目指していたWindows 10。目標を達成できるペースではないものの、2017年11月には6億台の大台に達している。Windows 10およびWindows as a Serviceの戦略はうまくいっているのだろうか。Windows 10に待望の「タイムライン」がやって来る
2017年秋のWindows 10大型アップデートでは搭載されなかった目玉機能が、ついに開発プレビュー版に登場。2018年春の大型アップデート「RS4」では、履歴やファイル共有の使い勝手向上が期待できそうだ。Windows 10次期アップデートは「AirDrop」のような共有機能を追加
2018年3月ごろに配信される予定のWindows 10次期大型アップデート「Redstone 4」。その開発プレビュー版では、興味深い新機能や機能強化が増えつつある。「Windows 10 Fall Creators Update」の完成を見届けるか、その先の世界へ向かうか
Windows 10の秋季アップデートが迫る中、Microsoftから幾つか新しいトピックが入ってきたので、まとめて紹介しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.