8億台稼働を達成したWindows 10の“次”は何が変わる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
2019年3月、世界で稼働するWindows 10が8億台を突破した。同時にWindows 10の“次々期”開発者ビルドが、Windows Insider Program参加者に提供された。これの意味することを考えてみた。
ちらつきはじめる「Chromium Edge」の姿
MicrosoftがEdgeのレンダリングエンジンをEdgeHTMLからChromiumベースへと変更し「新生Edge」をリリースすると宣言したのは2018年12月だが、その姿がリーク情報を通じておぼろげながら見えつつある。
2月末に開発途上版と思われる“Edge”のアイコンのリークが紹介されたことを皮切りに、3月初旬にはNeowinがこのChromium Edgeのスクリーンショットの流出画像を掲載するなど、周囲が幾分かにぎやかになりつつある。最初の流出版が「Canary」の頭文字である「CAN」、次の画像が「Developer(Edition)」の「DEV」を示した文字をアイコンに投影していると考えれば、Windows Insider Program利用者向けの提供開始も間もなくなのではと予想している。
このChromium Edgeの提供が近いと予想される一方で、当面は「Windows 10の64bit版のみ」のリリースとなることが見込まれる。Neowinが前述のリーク画像を掲載した翌日、Microsoft関連のリーク情報で知られるWalkingCatが紹介したトラブルシューティング情報によれば、利用可能環境として「Windows 10(64-bit)」が記されている。残念ながら元のドキュメントはすでに削除済みだが、アーカイブされた文章が残されているので確認できる。
実際のところ、周辺情報ばかりが出てくるだけでChromium Edge本体に関する重要な情報はほとんど出てきていないのだが、Microsoftが19H1の4月リリースに向けて全力を傾けていることを考慮すれば、その次の19H2を経て20H1まで、1年近い猶予を使って本格リリースに向けた検証を進めていくのではないかと考える。
現状の企業ユーザーでのEdgeのシェアを考えれば、Webアプリケーションでの対応にそれほど時間を要さないとも思われるが、やはり世界で8億台のデバイスが稼働するOSのデフォルトブラウザが大きな変更を行うという事実もあり、ある程度の慎重さをもって同社は移行を進めていくのだと考える。
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