モバイル向け「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」登場 新型エントリーCPUや一般デスクトップ向けCPUも追加:CES 2023(2/5 ページ)
Intelがハイエンドデスクトップ向けを先行発表していた「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」。その追加ラインアップが発表された。合わせて、エントリー向けの新型CPUも発表されている。【更新】
エンスージアスト向けモバイルCPU「HXシリーズ」
HXシリーズ(Core HXプロセッサ)は、モバイルワークステーションやエンスージアスト(求道者)が使うゲーミングノートPCへの搭載が想定されている。CPU本体とPCH(チップセット)が個別のチップとなっており、デスクトップ向けCPUに近い設計となっていることが特徴だ(参考記事)
第13世代におけるHXシリーズは、最大でPコア8基+Eコア16基の24コア32スレッド構成が用意されており、全モデルがアンロック(≒オーバークロック)に対応している。標準消費電力(≒TDP)は55W、マックスターボパワー(MTP:最大消費電力)は157Wだ。
GPUコアはXeアーキテクチャだが、実行ユニット(EU)は16基または32基と、他のモバイル向けモデルと比べると少し“弱め”となっている。メインメモリはより高速なDDR5-5600規格に対応する他、第12世代と同様にDDR4-3200規格にも対応する(最大容量は128GB)。
PCI Expressバスの仕様は以下の通りとなっている。最大で2基のThunderbolt 4(USB4)コントローラーを搭載することもできる。
- CPU直結:合計20レーン
- PCI Express 5.0:16レーン(GPUでの利用を想定、※1)
- PCI Express 4.0:4レーン(SSDでの利用を想定)
- PCH経由:合計28レーン
- PCI Express 4.0:16レーン(※1)
- PCI Express 3.0:12レーン
(※1)x16レーン×1またはx8レーン×2として利用可能
デスクトップ向けモデルと同様に、特にEコアの最大搭載数を増やしたことは処理パフォーマンスの向上に大きく役立ったようで、Intelは第13世代のHXシリーズを「最速のモバイルプロセッサ」「最良のゲーミングノートPCプラットフォーム」と自画自賛している。
SPECrate 2017でシングルスレッド/マルチタスクのパフォーマンスを計測すると、従来製品からシングルスレッドでは最大11%、マルチタスク(≒マルチスレッド)の性能では最大49%のパフォーマンス向上を図れたという。デスクトップ向けと同じく、Eコアを増やした効果は結構大きいようだ
HXシリーズのラインアップ
HXシリーズのラインアップは以下の通り。なお、★印が付いているモデルは企業向けの管理/セキュリティ機能「Intel vPro Enterprise」(フル機能のvPro)に対応する。
【Core i5】
- Core i5-13450HX
- Pコア:6基12スレッド(2.4GHz~4.6GHz)
- Eコア:4基4スレッド(1.8GHz~3.4GHz)
- GPUコアのEU:16基
- L3キャッシュ:20MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-4800/DDR4-3200
- Core i5-13500HX
- Pコア:6基12スレッド(2.5GHz~4.5GHz)
- Eコア:8基8スレッド(1.8GHz~3.5GHz)
- GPUコアのEU:16基
- L3キャッシュ:24MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-4800/DDR4-3200
- Core i5-13600HX★
- Pコア:6基12スレッド(2.6GHz~4.8GHz)
- Eコア:8基8スレッド(1.9GHz~3.6GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:24MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-4800/DDR4-3200
【Core i7】
- Core i7-13650HX
- Pコア:6基12スレッド(2.6GHz~4.9GHz)
- Eコア:8基8スレッド(1.9GHz~3.6GHz)
- GPUコアのEU:16基
- L3キャッシュ:24MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-4800/DDR4-3200
- Core i7-13700HX
- Pコア:8基16スレッド(2.1GHz~5GHz)
- Eコア:8基8スレッド(1.5GHz~3.7GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:30MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-4800/DDR4-3200
- Core i7-13850HX★
- Pコア:8基16スレッド(2.1GHz~5.3GHz)
- Eコア:12基12スレッド(1.5GHz~3.8GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:30MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
【Core i9】
- Core i9-13900HX
- Pコア:8基16スレッド(2.2GHz~5.4GHz)
- Eコア:16基16スレッド(1.6GHz~3.9GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:36MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
- Core i9-13950HX★
- Pコア:8基16スレッド(2.2GHz~5.5GHz)
- Eコア:16基16スレッド(1.6GHz~4GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:36MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
- Core i9-13980HX
- Pコア:8基16スレッド(2.2GHz~5.6GHz)
- Eコア:16基16スレッド(1.6GHz~4GHz)
- GPUコアのEU:32基
- L3キャッシュ:36MB
- 対応メモリ規格(定格):DDR5-5600/DDR4-3200
関連記事
Eコアとキャッシュの増量でより強く! 第13世代Coreプロセッサの実力をチェック
Intelが発売したハイエンドデスクトップ向け「第13世代Coreプロセッサ」は、第12世代Coreプロセッサをさらに洗練したCPUだという。その実力はいかほどのものか、発売に合わせてチェックしてみた。「Intel Unison」はスマートフォン×Windows PC連携アプリの夢を実現するか
Intelから、Windows PCとスマートフォンを連携するアプリ「Intel Unison」が発表された。AndroidだけでなくiOSでも利用可能なものだが、利用できるPCはかなり限定的でのスタートとなる。第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)はなぜ速い? コア数とキャッシュ容量増加が意味すること
Intelがついに発表した「第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)」は、先代と同じくイスラエルの研究開発拠点が主導して開発された製品だ。同社はイスラエルの拠点を紹介するツアーにおいて第13世代Coreプロセッサの詳細を解説する説明会を開催したので、その模様をかいつまんでお伝えする。IntelがPC向けCPU/GPUのロードマップを更新 「Raptor Lake」は2022年後半に
Intelが投資家向けのイベントでCPU/GPUの最新ロードマップを公表した。第12世代Coreプロセッサの後継となる「Raptor Lake(ラプターレイク)」は2022年後半に登場するという。Intelが教育市場向けのPentium SilverとCeleron N(Jasper Lake)を発表
1月11日(現地時間)、Intelは開発コード名「Jasper Lake」の教育市場向け新プロセッサ「Pentium Silver」「Celeron N」シリーズを発表した。発売は2021年第1四半期の予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.