「不要なものがない、世界で最も優れたコンシューマー向けデスクトップPC」:iMac製品担当者に聞く(2/4 ページ)
アップルがクリスマス商戦向けに投入した新製品について、MacBook担当者に続き、デスクトップ製品担当者のグレッグ・スメルツァ氏に話を聞いた。
最大の特徴はディスプレイ、不要なものは一切持たない「iMac」
――それでは、iMacの話をうかがえますか。
スメルツァ まずはじめに我々はiMacが世界で最も優れたコンシューマー向けコンピューターだと信じています。iMacはオールインワン型パソコンのリーダーです。
この製品の特徴は、あなたが必要なものすべてを取りそろえている一方で、あなたが不要と感じるようなものは一切持っていないことです。
――それ、なかなかいいフレーズですね。ほかのパソコンだと、余計なものがたくさん入りすぎていて、まずはいらないソフトを削ってから使い始めているなんていう人もいます。「必要なものすべてをそろえる一方で、不要なものは一切持たない」というフレーズは、実際に社内で使っているフレーズなんでしょうか。
スメルツァ iMacは本当にその通りの製品だと思いませんか? それは我々が初代iMacから変わらず、そうした製品を求め続けてきたからなのです。
――そんなiMacの一番の特徴はなんでしょう。
スメルツァ この製品の特徴は、この大きくて美しいディスプレイです。ディスプレイと言うのは、ユーザーにとってOSやアプリケーション、コンテンツといったすべてのものへの窓口となっています。
我々は最初の液晶搭載iMacを設計したときから、この点を重視して、ユーザーとディスプレイの中の世界のじゃまになるようなものをすべて排除するようなデザインを心がけてきました。
(※首振り型機構を備えた)液晶iMacは、ユーザーの目の前に液晶ディスプレイを浮かび上がらせる機構を備えたiMacでした、その次のデザインでは我々はPC本体を液晶ディスプレイの裏側に埋め込みました。
その後、我々はこのデザインをさらに薄型化し、アルミとガラスという素材を使うことで美しさに磨きをかけました。そして今回の新しいiMacは、このデザイン精神を引き継ぎさらに一歩押し進めました。
新iMacではエッジ・トゥー・エッジ(端から端まで)の裁ち落としのガラス板で画面を覆い、ディスプレイ下のあごの部分を狭くすることでユーザーとスクリーンとの対面の妨げる要素をさらに取り除いてみせたのです。
――その一番の特徴であるディスプレイについて、もう少し詳しく教えてください。
スメルツァ 新しいiMacには2つのサイズがあります。従来より一回り大きい21.5型ディスプレイのモデル。これは明るいLEDバックライトディスプレイを搭載し、従来の20型モデルに比べて解像度70%増しのモデルです。そしてさらに大きな27型のモデルは、弟分の21.5型モデルと比べて解像度78%増しになっています。
LED液晶ディスプレイは、スリープ状態から一瞬で一番明るい状態になる立ち上がりの良さが特徴で、起動後画面がウァームアップするのを待たなくていいことになります。またLEDバックライトは、従来のバックライトに比べて、より細かな明るさの制御ができるので、例えば暗い環境でバックライトをより暗い状態に落としたいときなどにも有利です。
21.5型モデルの解像度は1920×1080ドット。これは俗にフルHDと言われている解像度で、16:9のアスペクト比になっています。さらに今回のiMacから、すべての構成でIPSディスプレイテクノロジーが標準になりました。これは左右/上下の視野角が178度、どの方向からみても、高い色再現性を実現する高級ディスプレイの表示技術です。
27型ディスプレイは、基本的に21型の特徴を引き継いでいますが、それに加えてこの大きさと2560×1440ドットという高解像度を実現しています。非常にゆったりと大きく心地の良いディスプレイで、ムービーの鑑賞はもちろん、編集作業も、そのほかのあらゆる作業も快適にこなしてくれます。ちょっと映画を見てみましょう。コントラストも非常にいいし、音も非常にいいでしょう。
――本当ですね。今すぐ自分の部屋に欲しいくらいです。
Blue-ray搭載の要望は少なく見送り
――ところでBlue-ray Discドライブの搭載は考えなかったのでしょうか? 米国ではiTunesで簡単にテレビ番組やハイビジョンの映画を買ったり、レンタルしたりできるのでいいですが、日本ではそのサービスがないので。
スメルツァ 我々の調査では、今までのところそれほど顧客からBlu-ray搭載の要望が出ていないというのが正直なところで、搭載を見送っています。今日ではハイビジョンコンテンツを入手する手段は広がりつつあります。インターネット動画もそうだし、最新のデジカメなどで撮影した動画などもそうです。
ええと、新しいiMacはディスプレイの裏側も新しくなっています。新iMacの背面は精密加工されたアルミニウムのエンクロージャーになっています。これにより背面のほかのパーツとの一体感が増し、背面すべてがひと続きの板のように見えるようになりました。
――ポート類は前のiMacと同じなんでしょうか。
スメルツァ ええ、ポート類は基本的に前iMacと同じですが、1点だけ違うのは27型iMacのMini DisplayPortは映像出力だけでなく入力端子としても機能する、という点です。
試しに新型MacBookをiMacにつないでみましょう。接続にはMini DisplayPort―Mini DisplayPort接続のケーブルが必要で、これは今のところ純正品はありませんが、ベルキンが発売しています。
実際に接続してみると、このように自動的に画面の表示がiMacの表示からMacBookの画面の表示に切り替わります。ここでコマンドキーと一緒にF2キーを押すと、再びiMacの画面の表示に切り替わります。MacBookの外付けディスプレイとして使っているあいだも、iMacのOSは動作したままになっています。
――これはビジネスの会議室などに置いておくのによさそうですね。1台iMacを置いておけば、入れ替わり立ち代わりプレゼンができてしまいます。今後、ケーブル次第ではアナログRGB端子しかないようなWindows機でも接続できるようになるのでしょうか?
スメルツァ そのはずです。これはサードパーティにとっても非常にいいビジネスチャンスになるでしょう。
さて、もう1つ新しいのはスーパードライブのスロットローディング部分のすぐ横に、新たにSDメモリーカードスロットが用意された点でしょう。SDメモリーカードスロットの搭載で、デジタルカメラで撮影した写真をすぐに取り出して大写しにすることができます。また、今回から付属のキーボードとマウスはワイヤレス仕様になりました。
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