第1回 「VAIO Z」のクアッドSSDを味わう:VAIO Z 長期使用リポート(2/2 ページ)
“何もあきらめなかったモバイル”こと「VAIO Z」。なんて強気なキャッチフレーズなんだろう。ノートPC好きをワクワクさせてくれる、数少ない1台だ。
VAIO Zといえば、やっぱり“クアッドSSD”
雑談が長くなってしまったが、手始めに筆者私物のVAIO Zと今回借用したVAIO Zのコアスペックを比較してみる。どちらもVAIOオーナーメードモデルで概要は下表の通りだ。
今回テストしたVAIO Zの基本スペック | ||
---|---|---|
モデル | 私物のVAIO Z | 借用したVAIO Z |
OS | 64ビット版 Windows 7 Professional | 64ビット版 Windows 7 Ultimate |
CPU | Core i7 620M(2.66GHz/最大3.33GHz) | |
メモリ | 4Gバイト | |
グラフィックス | Intel HD Graphics/NVIDIA GeForce GT 330M(グラフィックスメモリ1Gバイト) | |
ストレージ | 5400rpm 320GバイトHDD | 256GバイトクアッドSSD |
光学ドライブ | − | Blu-ray Discドライブ |
偶然にもCPUとメモリ容量は同じだ。グラフィックス機能はカスタマイズ不可で、CPU内蔵のIntel HD Graphicsと、ディスクリートGPUのNVIDIA GeForce GT 330Mを搭載する。Windows 7が起動した状態で、ハードウェアのスイッチによって2つのグラフィックス機能を切り替えられるのがVAIO Zの特徴だ。液晶ディスプレイの解像度も1920×1080ドットで共通なので、Webカメラや指紋認証といった付加的な機能を除けば、最大の違いはストレージ構成となる。
VAIO ZのVAIOオーナーメードモデルは、ストレージの選択肢が豊富だ。2010年12月9日現在、HDDが4種類、SSD+DVDスーパーマルチドライブの組み合わせが3通り、SSD+Blu-ray Discドライブの組み合わせが3通りと、合計10通りも用意されている。このうち、SSDの構成がVAIO Zの最大の特徴といってもよい。すでにご存じの読者も多いと思うが、VAIO Zでは独自設計のSSD基板を採用し、SSD基板×2枚の「デュアルSSD」(128Gバイト)、SSD基板×4枚の「クアッドSSD」(256Gバイトもしくは512Gバイト)が選べる。デュアルSSDとクアッドSSDはRAID 0構成なので、アクセスも高速だ。
最高の選択肢は512GバイトのクアッドSSDだと思うが、最も安価な320GバイトHDDを選択する場合と比べて、DVDスーパーマルチドライブとの組み合わせで10万5400円も高くなってしまうため、この構成で買った人は少数派だろう。2010年春モデルが登場したときから、512GバイトのクアッドSSDはあこがれの存在だったのだ。筆者のVAIO Zも、最安の320GバイトHDDを選択している。ストレージ性能は体感速度を大きく左右し、クアッドSSDのサクサク感は非常に魅力的だったのだが、さすがに手が出なかった。
ちなみに、クアッドSSDよりは劣るものの、128GバイトのデュアルSSD+DVDスーパーマルチドライブの選択肢なら、最安のHDDと比較して2万9500円のアップで済む。128Gバイトの容量でやりくりできそうで、かつ予算が許すとすれば、積極的に検討したい構成だ。
実際、クアッドSSDが載ったVAIO Zは、やはり速くて静かだ。2台のVAIO Zを並べて使い比べていると、より実感する。320GバイトHDDも決して遅いわけではないが、クアッドSSDのほうが何をするにしてもワンテンポ速い。特に、Windows 7や比較的大型なアプリケーションの起動、ファイルコピーなどで、その差は顕著だ。HDDを搭載した筆者のVAIO Zは、HDDの回転音も気になってしまう。
2台のVAIO Zでベンチマークテストも行ってみた。筆者のVAIO Zは64ビット版Windows 7 Professional、今回入手したVAIO Zは64ビット版Windows 7 Ultimateという点を除き、CPUとメモリ容量、グラフィックス機能(NVIDIA GeForce GT 330Mで計測)が同じなので、ほぼ純粋にHDDとクアッドSSDの差と見ることができる。結果は以下の通りだ。
参考までに、Windows 7の起動時間もストップウォッチで計測してみた。電源オンからWindows 7のデスクトップが表示されるまでのタイムは、筆者のVAIO Zが約60秒、借用したVAIO Zが約38秒だ。どちらもシステムリカバリ直後の状態(WindowsアップデートとVAIOアップデートを一通り適用)なので、スタートアップ起動するソフトウェアを削るなどすれば、トータルの起動時間は速くなる可能性がある。
やはり、価格差はパフォーマンスの差となって明確に現れたが、このままでは少し悔しい。次回は私物のVAIO Zのパフォーマンスアップを図る予定だ。
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