第2世代Coreに完全移行、テレビなしモデルも用意した16型クラスノート――「VAIO F」:2011年PC夏モデル
16型クラスのAVノートPC「VAIO F」シリーズは店頭向けに3機種を用意。下位2機種はフルモデルチェンジし、テレビチューナーがないハイスペック機も発売される。
- VAIO 2011年夏モデル全体の概要はこちら→ソニーが「VAIO」夏モデルを発表――13.3型モバイル上位機、3D対応の液晶一体型、新デザインノートが登場
下位モデルはフルモデルチェンジ、テレビチューナーがない機種も
16型クラスのAVノートPC「VAIO F」は、店頭販売向けの2011年夏モデルとして3機種用意する。
最上位モデルは、3D立体視対応の16型フルHD液晶と2機の地上デジタルテレビチューナーを搭載した「VPCF229FJ/BI」だ。2011年3月に発売された“VAIOシリーズ初”の3D立体視対応モデル「VPCF219FJ/BI」の後継機種となる。
16.4型ワイド液晶の下位モデルは、画面解像度やGPUなどスペックに差のある2機種を用意する。ミドルレンジのモデル「VPCF227FJ/B」は1920×1080ドットのフルHDに対応し、3D立体視に非対応であることや、地上デジタルチューナーを搭載していないこと以外は、最上位機と同様の基本スペックだ。ただし、3モデルの中で唯一Adobe Premiere Elements 9やAdobe Photoshop Elements 9、Adobe Photoshop Lightroom 3といった画像/映像編集のソフトがプリインストールされている。エントリーモデルの「VPCF226FJ/S」は解像度が1600×900ドットで、メモリやHDD容量などもVPCF227FJ/Bに比べて抑えられているが、地上デジタルチューナーを2基内蔵する。
実売価格はVPCF229FJ/BIが25万円前後、VPCF227FJ/Bが22万円前後、VPCF226FJ/Sが17万円前後と予想される。いずれも2011年6月11日に発売予定だ。
今回のモデルチェンジでは、3D非対応の下位2モデルの性能面に大幅な向上が見られる。VPCF227FJ/Bは“Sandy Bridge”世代のCore i7-2630QM(2.0GHz/最大2.9GHz)を搭載し、HDD容量が640Gバイトから750Gバイトに、メモリは4Gバイトから8Gバイト、GPUはGeForce GT 425MからGeForce GT 540Mに強化した。下位機のVPCF226FJ/SもCPUに同世代のCore i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz)を搭載し、HDDの容量は500Gバイトから640Gバイトに、GPUはGeForce 310MからGeForce 520Mとなるなど性能向上を果たしている。いずれも光学ドライブはBlu-ray Discドライブを搭載する。
ボディデザインも一新し、最上位機のVPCF229FJ/BIと同様のデザインとなった。インタフェース類も同様で、USB 3.0×2、USB 2.0×1、4ピンのIEEE1394、3D対応のHDMI出力、D-Sub出力、ヘッドフォン/光デジタル音声出力兼用、マイク入力、メモリースティック PRO-HGデュオ/SDXC対応SDメモリーカード共用スロット、Exmor CMOSセンサーによる有効画素数約131万画素のWebカメラを備える。
バッテリー駆動時間は、標準で約4時間(VPCF226FJ/Sは約4.5時間)、オプションのLバッテリー装着時で約6.5時間だ。本体サイズは、398.5(幅)×271.5(奥行き)×33.1〜43.1(高さ)ミリ、重量は約3.1キロ。OSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)で、オフィススイートはOffice Home and Business 2010を備える。下位機のVPCF226FJには、新色としてシルバーが採用された。
3D立体視対応モデル「VPCF229FJ/BI」は基本スペックを強化
3D立体視対応の最上位モデル「VPCF229FJ/BI」は、基本スペックをわずかに強化しただけのマイナーチェンジとなった。HDDの容量が640Gバイトから750Gバイトに、メモリが4Gバイトから8Gバイトへと増量したが、そのほかの基本スペックやデザインは春モデルからの変化はない。本体サイズは、398.5(幅)×271.5(奥行き)×35〜45(高さ)ミリ、重量は約3.2キロだ。オフィススイートはOffice Home and Business 2010が、OSは64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)がプリインストールされている。バッテリー駆動時間は標準で約2.5時間、オプションのLバッテリー装着時で約4時間となる。
購入時に仕様が選べるソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデルでは、4コア/8スレッド対応のCore i7-2820QM(2.3GHz/最大3.4GHz)や512GバイトSSD、64ビット版Windows 7のエディション、Adobe Creative Suite 5 Production Premiumなどが用意されている。直販価格は9万9800円からだ。
また、テレビ視聴アプリの「Giga Pocket Digital」はDTCP-IPサーバに対応し、DTCP-IP対応機器にデジタル放送の録画データを転送することが可能だ。録画番組に付加される店舗/商品情報を番組再生中に表示する「情報ウィンドウ」にも新たに対応した。
- VAIO 2011年夏モデル全体の概要はこちら→ソニーが「VAIO」夏モデルを発表――13.3型モバイル上位機、3D対応の液晶一体型、新デザインノートが登場
VAIO F店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
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シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
VAIO F | VPCF229FJ/BI (ブラック) | 2スピンドル | HDD強化 | Core i7-2630QM (2.0GHz/最大2.9GHz) | 8GB (DDR3) | 750GB | 64ビット版7 Home Premium (SP1) | 25万円前後 |
VPCF227FJ/B (ブラック) | 2スピンドル | フルモデルチェンジ、テレビなし | Core i7-2630QM (2.0GHz/最大2.9GHz) | 8GB (DDR3) | 750GB | 64ビット版7 Home Premium (SP1) | 22万円前後 | |
VPCF226FJ/S (シルバー) | 2スピンドル | フルモデルチェンジ | Core i5-2410M (2.3GHz/最大2.9GHz) | 4GB (DDR3) | 640GB | 64ビット版7 Home Premium (SP1) | 17万円前後 | |
VAIO F店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV/オフィス | 重量 |
VAIO F | VPCF229FJ/BI (ブラック) | 16型ワイド(3D対応) | 1920×1080 | Intel HM65 | Blu-ray Disc | GeForce GT 540M | 地デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約3.2キロ |
VPCF227FJ/B (ブラック) | 16.4型ワイド | 1920×1080 | Intel HM65 | Blu-ray Disc | GeForce GT 540M | −/Office Home and Business 2010 | 約3.1キロ | |
VPCF226FJ/S (シルバー) | 16.4型ワイド | 1600×900 | Intel HM65 | Blu-ray Disc | GeForce 520M | 地デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約3.1キロ |
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