ナナオ、疲れ目抑制に注力した23型/24.1型/27型ワイド液晶ディスプレイ:自動調光+ちらつき低減
ナナオは「FlexScan」シリーズの液晶ディスプレイ5機種を発表した。いずれも疲れ目抑制機能を多数搭載しているのが特徴だ。サイズは23型/24.1型/27型の3種類。
疲れ目の軽減などエルゴノミクス機能を強化しつつ、消費電力も抑制
ナナオは8月7日、液晶ディスプレイ「FlexScan」シリーズの新機種として、27型の「EV2736W-FS」、24.1型の「EV2436W-FS」と「EV2416W-TS」、23型の「EV2336W-FS」と「EV2316W-TS」を発表した。2012年8月22日より順次発売する。価格はオープン、同社直販価格は3万2800円からだ。
今回発表されたFlexScan新機種 | |||||
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機種名 | EV2736W-FS | EV2436W-FS | EV2416W-TS | EV2336W-FS | EV2316W-TS |
画面サイズ | 27型 | 24.1型 | 24.1型 | 23型 | 23型 |
解像度 | 2560×1440ドット | 1920×1200ドット | 1920×1200ドット | 1920×1080ドット | 1920×1080ドット |
液晶パネル方式 | IPS | IPS | TN | IPS | TN |
発売日 | 2012年10月31日 | 2012年8月22日 | 2012年8月22日 | 2012年9月14日 | 2012年9月14日 |
EIZOダイレクト販売価格 | 8万9800円 | 5万4800円 | 4万2800円 | 3万7800円 | 3万2800円 |
FlexScanシリーズは、ナナオが展開するEIZOブランドの液晶ディスプレイにおけるスタンダードモデル。今回の新機種は、特に疲れ目抑制のために多数の機能を搭載しているのが特徴だ。内蔵の照度センサーによって周囲の明るさを検知し、画面の輝度を最適に保つ自動調光機能「Auto EcoView」を備えている。
また、LEDバックライトのちらつきが気になるという一部ユーザーの要望に応え、新しい調光方式を採用した。LEDバックライト搭載の液晶ディスプレイは通常、発光素子が点滅する時間を制御することで見た目の明るさを変化させるPWM調光方式だが、人によってはフリッカー(ちらつき)が気になることもあるという。そこで、今回の新機種では電流を増減させることで明るさを制御するDC調光方式を採用し、原理上フリッカーのない表示を実現している。
しかし、DC調光方式は輝度を低くしにくく、低輝度での色再現性も難があることから、今回の新機種では高輝度時にDC調光へ、低輝度時にPWM調光へと自動的に切り替えるハイブリッド仕様の「EyeCare調光方式」を採用した。高輝度時にDC調光を採用したことで、PWM調光ではピークの明るさを下げることができ、点滅時間による調光制御でも従来機より明滅の輝度差が小さいことから、ちらつきが抑えられているという。
- →PWM/DC/EyeCare調光方式の詳細はこちら
そのほか、疲れにくい姿勢で利用できる可動範囲の広いスタンド、画面への光の反射や映り込みが目立ちにくいノングレアパネル、調光範囲の広いLEDバックライト、表示するコンテンツに応じて使い分けることができる表示モード(Paperモードなど)、使用するアプリケーションに応じて表示モードを自動的に切り替える機能、輝度やコントラストを抑えるソフトウェア処理のフィルタパターンの選択や微調整が可能な「EyeCare Filter」といった疲れ目抑制機能を盛り込んでいる。
ユーザーに負担をかけずに消費電力を抑制する各種機能も搭載。バックライトの自動調光機能であるAuto EcoViewをはじめ、画面全体の明るさやコンテンツの視認性が保持されるようリアルタイムで補正しながら、映像に連動した輝度抑制を自動で行う「EcoView Optimizer 2」(EV2736W-FSは除く)、ユーザーの離着席を検知して自動で電源をオン/オフする人感センサー「EcoView Sence」、複数ディスプレイの輝度設定や電源の消し忘れなどを一括管理/遠隔操作できる電源管理ソフトウェア「EIZO EcoView Net」、消費電力0ワットを達成する1次電源オフスイッチを備えている。
フレームのスリム化によるマルチディスプレイ環境における視点移動の快適化、DisplayPort/DVI-D/D-Subの3系統入力(EV2736W-FSは2系統入力)、USBアップストリーム1系統とUSBハブ2系統、1.0ワット+1.0ワットのステレオスピーカーとヘッドフォン出力、10ビットLUTによる滑らかな階調表現、液晶パネルも含めた5年間保証(使用時間3万時間以内)といった特徴も持つ。
IPSパネル搭載の3機種は縦回転に対応
機種名の末尾に「FS」が付く3機種は、広視野角のIPSパネルを採用。上下/左右で各178度の視野角、300カンデラ/平方メートル(EV2336W-FSは250カンデラ/平方メートル)の輝度、1000:1のコントラスト比、6msの応答速度(中間階調域/EV2736W-FSの応答速度は未確定)、約1677万色の最大表示色といったスペックだ。スタンドは上30度のチルト、左右344度のスイベル、右回り90度の縦回転に対応する。
27型のEV2736W-FSは、2560×1440ドット表示に対応。本体サイズは640(幅)×245.5(奥行き)×399.5〜544.5(高さ)ミリ、スタンドの昇降範囲は145ミリ、重量は約10キロだ。消費電力は最大で70ワット、標準時で24ワット、節電時と待機時で0.5ワット以下となる(これらの消費電力は未確定の値)。発売日は10月31日、直販価格は8万9800円。
24.1型のEV2436W-FSは、1920×1200ドット表示に対応。本体サイズは552.5(幅)×245.5(奥行き)×376〜534(高さ)ミリ、スタンドの昇降範囲は158ミリ、重量は約6.7キロだ。消費電力は最大で60ワット、標準時で19ワット、節電時と待機時で0.3ワット以下となる。発売日は8月22日、直販価格は5万4800円。
23型のEV2336W-FSは、1920×1080ドット表示に対応。本体サイズは540(幅)×245.5(奥行き)×360〜513.5(高さ)ミリ、スタンドの昇降範囲は179ミリ、重量は約6.3キロだ。消費電力は最大で47ワット、標準時で16ワット、節電時と待機時で0.3ワット以下となる(これらの消費電力は未確定の値)。発売日は9月14日、直販価格は3万7800円。
TNパネル搭載の下位機も用意
機種名の末尾に「TS」が付く2機種は、標準的なTNパネルを採用。上下160度/左右170度の視野角、250カンデラ/平方メートルの輝度、1000:1のコントラスト比、5msの応答速度、約1677万色の最大表示色といったスペックだ。スタンドは上25度のチルト、左右344度のスイベル、60ミリ範囲の昇降が行える(IPSパネル搭載機と異なり、縦回転には非対応)。発売日は8月22日、直販価格は4万2800円。
24.1型のEV2416W-TSは、1920×1200ドット表示に対応。本体サイズは552.5(幅)×200(奥行き)×408〜468(高さ)ミリ、重量は約4.9キロだ。消費電力は最大で45ワット、標準時で15ワット、節電時と待機時で0.3ワット以下となる。
23型のEV2316W-TSは、1920×1080ドット表示に対応。本体サイズは540(幅)×200(奥行き)×387.5〜447.5(高さ)ミリ、重量は約4.3キロだ。消費電力は最大で43ワット、標準時で14ワット、節電時と待機時で0.3ワット以下となる(これらの消費電力は未確定の値)。発売日は9月14日、直販価格は3万2800円。
- →同時発表されたナナオによる「PC画面と疲れ目の関係」の調査結果はこちら
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