「17年ぶりのインタフェース革命。PCは今後も存在価値を発揮していく」──NECのPC秋冬モデル発表会:それは、PCとスマートデバイスが本当の意味で共存できるようになるため
NECが新OS「Windows 8」搭載のPC新モデルを発表。単なる新OSではない「Windows 8の新ユーザーインタフェース」に込めた意味、そしてそれを具現化する新モデルの開発意図をNECパーソナルコンピュータの高塚社長、日本マイクロソフトの樋口社長が語った。
NEC製PCはWin 8対応の「タッチオールスターズ」 17年ぶりのUI革命を推進
「深い溝があり、ある意味“断絶”していたWindows 7とスマートデバイスの操作性。Windows 8はその架け橋になる。これが17年ぶりのインタフェース革命の大きな意味と思う」。
NECは10月19日、2012年冬商戦向けのPC新モデル全10シリーズを発表。全モデルで2012年10月26日に登場する新OS「Windows 8」に刷新し、同OSの特長を具現化する工夫を取り入れたラインアップで展開する。
製品発表会で登壇したNECパーソナルコンピュータの高塚栄社長は、Windows 8を「Windows 95以来、17年ぶりのインタフェース革命」と位置付け、「あのとき、PCがあれば何でもできると思った。それをWindows 8でもう1度体験してもらいたい。ワクワクしてもらいたい──をテーマに開発した」とNEC製Windows 8搭載モデルの開発テーマを述べた。
新モデルは「タッチ」「コンバーチブル」といった、新たなPC利用シーンを創造するシリーズを拡充。ノートPC4シリーズにタッチパネルを、デスクトップPCの2シリーズにタッチ操作対応の新リモコン「タッチパッドリモコン」を採用する。デスクトップPCは、21.5型〜23型サイズの大型画面により画面よりやや離れて操作する。無理して画面へのタッチ操作をさせるのではなく、それ以外で自然にタッチ体験ができるよう工夫し、タッチパッドリモコンの採用に行き着いたという。NEC製PCは「タッチオールスターズ」とPRし、スマートデバイスと操作感・操作性を同じくする「タッチ対応」を今後全シリーズで推進する意向も示した。
今なお13型クラスのUltrabookで世界最軽量を維持する「LaVie Z」に続く“イノベーション”モデルも追加。それが「LaVie Y」だ。
LaVie Yは国内メーカー初となるARMアーキテクチャ(Tegra 3)+Windows RTという仕様に加え、ディスプレイが360度回転し、タブレットとノートPCのスタイルを両立する“コンバーチブルタブレット”であること、そして中Lenovoグループ/レノボ・ジャパンと共同開発したモデルであることなどがポイント。「レノボ合弁における大きな成果のあかし」(高塚社長)とし、中Lenovoグループのグローバルな資材調達力や企画開発力などを生かし、国内でいち早く製品化できたという。
基本設計や部品は、10月18日にレノボ・ジャパンが発表した「IdeaPad Yoga 13」あるいは海外で発表された「IdeaPad Yoga 11」と多くの部品・設計を共通して高効率化を図りつつ、日本ユーザーのニーズに沿った日本市場向けのカスタマイズを実施。「NEC独自のカラーリングやキー刻印の書体、ACアダプタなどはLaVie Yの独自仕様。日本ユーザーの志向やニーズに合わせた」(NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部の栗山浩一本部長)
発表会には、日本マイクロソフトの樋口泰行社長も登壇。Windows 8は発売を1週間後に控え、1日1日盛り上がってきているとし、ならではの初心者向けからベーシック、主力、そしてハイクラス・イノベイティブなモデルまで幅広いニーズをカバーするNECのラインアップと、Windows 8の組み合わせは最適の解と述べた。
また、Windowsとともに同社の主力製品であるOfficeについても日本市場ではこれにも増して強力にプッシュする考え。NEC製PCをはじめ、国内メーカー製のWindows 8搭載2012年PC秋冬モデルにはOffice Home and Business 2010あるいはOffice Personal 2010がプリインストールされるが、これらモデルには次期バージョンである「Office 2013」への無償のアップグレードパスを用意することも明らかにした。
昨今、一般的なインターネット利用は、スマートフォンやタブレットでもう十分という声がある。確かに情報にアクセスする、コンテンツを再生するという作業はこれらスマートデバイスでのタッチ操作が有効で、すでに手放せなくなっている人も多い。
では、PCはそのまま消えるのか。そんな危機感はあるのか──「まったくない」と高塚社長。
「これまでのWindows 7搭載PCとスマートデバイスは、操作性において“断絶”されていた。ユーザーの利便性を考えると、家でも外でも、電車などでも、それぞれの画面で違う操作性になっていては本当の意味でのシームレスな使い勝手は提供できていなかった。それがWindows 8は、PCもスマートデバイスも同じ操作性を実現できるようになる。大きくUIが変わることで、最初は戸惑い、中には嫌悪感を持つ人もいるかもしれないが、Windows 8の投入、そしてそれが目指すインタフェース革命の本質はここだと思っている」
「ただし、操作方法が同じならやることも同じなのかとなるとやはり違う。スマートフォンでできることと、PCが得意なことが異なるのはみなさんご存じの通り。Windows 8が架け橋になって操作性・使い勝手を統一しつつ、それぞれの役割分担の中で、PCは今後も存在価値を発揮していく。決してなくなりはしない」(NECパーソナルコンピュータの高塚社長)
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