【短期集中! Surface RT】ためす! Office 2013 “RT”:なんだかんだいってもOfficeは大事(3/3 ページ)
Windows RTがどれだけ“Windows 8っぽく”使えるのかを左右するポイントの1つが標準で付属するOfficeアプリだ。使いものになるのか! ならないのか!
省電力を重視するタスク管理
ここまで確認してきたように、Office 2013とOffice 2013 RTは、操作面で大きな変化はない。では、内部的な構成でOffice RTにはどのような違いがあるだろうか。MicrosoftのOffice.comに掲載するブログによれば、Office RTの特徴として「タッチ操作への最適化」「長いバッテリー駆動時間を可能にする省電力デザイン」「タブレットデバイスでの利用を考慮」を挙げている。
重要なのはバッテリー駆動時間とタブレットデバイス利用で、特にバッテリー駆動時間の延長は開発において重要な目標としてきた。Windows 8とWindows RTでは「Windows 8スタイル」と呼ぶWinRTフレームワーク上で動作する新しいアプリに重点をおいているが、これは、OSが消費電力や動作を細かく制御することで、従来のデスクトップアプリケーションでは難しかった「Connected Standby」や「超省電力動作」を実現するためだ。特に、ARMとタブレットデバイスといったフォームファクタでは、アプリの省電力を意識したタスク制御がバッテリ−駆動時間に大きく影響する。Windows RTでデスクトップアプリケーションの動作を禁止している最大の理由もここにある。
Windows RTに導入するOffice 2013 RTは、機能制限を加えることで、ベースのOffice 2013がデスクトップアプリケーションながら省電力動作を実現している。特にマクロの実行禁止は省電力に大きく貢献するとみられる。マクロは、作業の簡略化やカスタムアプリケーションの構築で効力を発揮するものの、マクロの構成次第で非常に“重い動作”を要求する。これがバッテリーを消費する原因の1つとなる。マクロによっては、常駐状態で動作を繰り返す場合もあり、これが“サスペンド”を繰り返してバックグラウンドにまわったアプリをスリープ状態に持ち込むように努力するWindows RTの動作を妨害する可能性もある。
Office 2013 RTでは、これ以外にも省電力対策を用意している。Office 2013 RTを実行した状態でタスクマネージャーをチェックすると、Officeアプリが非アクティブ状態になった瞬間に、CPU利用率が0パーセント、または、0.1〜0.3パーセントまで落ち込むことが確認できる。デスクトップアプリケーションがベースにも関わらず、ほかのWindows 8スタイルアプリと比較すると、非アクティブ状態におけるCPU利用率を極力低く抑えている。通常、Windows 8スタイルアプリは、バックグラウンドにまわってしばらくするとサスペンド状態となり、ネットワーク通信やタイマーなど何らかのトリガーがない限りCPU利用率0パーセントで休眠する。Office 2013 RTもこれに近い動作を実現しているようだ。
タブレット操作に最適化したというが
「タッチ操作への最適化」では、OneNoteにその典型的な例をみることができる。OneNoteは、ひたすらメモを記録し、それを後で整理して検索したり、オンラインで共有したりするためのアプリケーションとサービスだ。このあたりの動作はOneNote 2013 RTでも同じだが、これとは別に、タッチ操作に最適化した同じ名前のWindows 8スタイルアプリを用意しており、Windows RTには最初からインストールしている(Windows 8用は「OneNote MX」の名称で別途Windows Storeからダウンロードする)。
このWindows 8スタイルアプリ版OneNoteは、簡易入力に特化しており、文章の入力、または、リングメニュー経由の図表挿入のみが可能だ。複雑な操作には向いていないタッチ入力に特化したアプリだが、制限事項で紹介したように、音声メモが追加できないほか、タッチ操作を重視したにも関わらず手書き入力ができない。Surface RTの本体だけで使うには、もう一工夫ほしいところだ。
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