海外プリペイドSIM導入マニュアル──「韓国・ソウル 2013年」編:「貴重体験ができる」海外定額データ通信(3/3 ページ)
要事前予約で3G接続のみという縛りはあるが、SIMロックフリー端末を用意しておけばプリペイドでデータ通信が利用できる。だが……。1Gバイト/約1600円の韓国プリペイドSIMサービスを今回は紹介しよう。
クレジットカードによる料金追加は、スマホアプリで
Myページ「特別注文の確認」→携帯電話番号を入れて「Go」→「チャージ」→「通話料金のチャージ」と進むと、SIMカードの料金残高や有効期限が表示される。
なおデータ通信を利用する際も、まずは通話用の料金をチャージし、その残高の一部をデータ用にチャージさせる(割り当てる)という方法をとる。チャージはクレジットカード決済で。日本発行ののクレジットカードも使えるようだ。
ところが、チャージ料金を選べても「携帯電話番号」の欄が押せず、結果としてチャージする先の携帯電話番号を入力(選択)ができない。こちらは1つのMyページIDで複数枚のSIMカードを所有している場合、それぞれ個別に料金チャージできるという機能だと思うが、携帯電話番号を入力できないためにオンラインでのチャージ作業はあきらめた。ブラウザはInternet Explorer 9、Chrome、Safariなどいくつかで試したが、ダメだった。
このほか、コンビニエンスストアでバウチャー(プリペイドカード)を買って番号を入力する方法、そして、スマートフォン用Androidアプリを使う方法がある。スマートフォンアプリは「EG SIM」で検索すると「EG SIMカード」というアプリが見つかる。日本語表時にも一応対応している。チャージ方法は以下から。
- スマートフォンアプリのチャージを選択
- 通話料金のチャージを選択
- 決済方法のオプションをクレジットカードにしてチャージ金額を選ぶ。この再有効期限延長も申請できる(6カ月6000ウォン/12カ月10000ウォン)
- チャージするを選択後、クレジットカード情報入力→CVV2コード入力と進む
- 完了すると料金のチャージ結果が表示され、SMSの通知も届く
- アプリのマイページからデータサービスのオプションを選ぶ
- データ料金を選択して登録を選ぶ
- 確認画面が出るのでOKを押すと、センターへ登録が開始される(1-2分)
- データのオプション画面が表示され、料金残高や現在のデータ利用残高が表示される。またSMSでも通知が届く。
3Gにしては快適な通信速度
ここまで、長い道のりだった。単にプリペイドSIMカードを買い、1Gバイトのデータ通信プランを利用できるようになった“だけ”なのだが。なお、オプションで購入したデータ通信量を超えると、従量料金で課金されるので注意してほしい。
通信速度は3G/HSPAのみの接続ということであまり気にしていなかったが、ソウル市内、チェジュ島にて4MMbpsほどとかなりの速度が得られた。韓国はLTEがほぼ全国カバーされているのでLTE回線も使いたいところだが、これだけの速度が出るならばビジネス用途にも十分使えるだろう。
もう1つ、MACアドレス登録を行ったスマートフォンは、Wi-Fi機能を有効にしておくことで韓国全土で展開されるKTの攻守Wi-Fiサービス「Olleh WiFi」へログイン操作不要で自動的に接続できる。こちらは地下鉄内でも利用できるので、移動中もデータ通信費不要でスマートフォンを活用できる。
今回はいろいろ貴重な経験となった。SIMカードは空港受け取りではなく、自宅配送にしていたらおそらく確実に自分専用のSIMカードが届くので、韓国到着後にメールで開通依頼する必要もないのかもしれない。今回はメールサポート対応が早かったことは救いだった。EZ SIM購入にトライする人は、筆者とは異なる方法もぜひ試してみていただきたい。
1Gバイトで約1600円となるデータ料金は、日本や韓国の空港などで借りられるレンタルモバイルルータサービスの料金と比較しても割安感はあまりないかもしれない(こちらは1日約500〜1000円ほど)。観光用として韓国で苦労なく通信量も気にせずデータ通信を行いたい場合は、おそらくレンタルルータにする方が確実に楽である。
とはいえEG SIMならば、思い立ったときに韓国へ訪問し、到着後すぐに通信開始できるというメリットがある。自分専用の韓国の電話番号が欲しい人などにもEG SIMはお勧めだ。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1100台以上(2013年5月時点)。
関連キーワード
LTE(Long Term Evolution) | 香港 | プリペイド | SIMカード | プリペイドSIM | 海外プリペイドSIM導入マニュアル | SIMロック | SIMロックフリー | PCデータ通信端末 | 山根康宏
関連記事
- 「海外プリペイドSIM導入マニュアル」最新記事一覧
- 次世代PCデータ通信特集
モバイルWiMAXや3G/HSPAの旬なPCデータ通信から、次世代の高速通信まで、「PCでデータ通信を利用するユーザー」のためのPCデータ通信関連情報を随時更新! - 特集:海外旅行出発前に要チェック──「1日数百円から」の海外データ通信、国・地域別の価格一覧
海外でもスマホで地図アプリを使いたい、もちろん安く──。それなら現地で「海外プリペイドSIM」を入手しよう。連載「海外プリペイドSIM導入マニュアル」より、国・地域別プリペイド製品の価格をまとめた。 - 海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「台湾」編
日本と同じように、海外でも安心して「データ定額」で利用したい──。ちょっとしたコツで、海外でも手軽に「格安な」定額モバイルインターネット環境を入手できる。今回は台湾・台北でプリペイドSIMカードを活用する方法を紹介する。 - auケータイ向け海外パケット定額、3月にスタート 1日最大2980円で使い放題
auケータイの海外パケット通信を定額で――。KDDIが3月1日から「海外ダブル定額」を提供。20万パケットまでは最大1980円/日、20万パケット以上は最大2980円/日で利用できる。 - ドコモ、「海外パケ・ホーダイ」を9月1日に開始――3月末まで日額最大1480円
ドコモが国際ローミング中のパケット定額サービス「海外パケ・ホーダイ」を開始する。同サービスでは、20万パケットまでは日額最大1980円、20万パケット以上は日額最大2980円で利用でき、2011年3月31日までは日額最大1480円で利用できる。 - 1日最大1480円で海外パケット通信が使い放題――ソフトバンクの「海外パケットし放題」
海外でパケ死を気にせず使える――ソフトバンクは7月21日から、1日最大1480円で海外でのパケット通信が使い放題になる「海外パケットし放題」を提供する。 - イー・アクセス、1日最大2880円で利用できる「海外データ1日定額」を開始
イー・モバイルの海外でのデータ通信を0円〜1480円、1480円〜2880円の定額で利用できる「海外データ1日定額」が7月26日から提供される。 - ソフトバンク、iPhone向けの「海外パケットし放題」アプリを公開
ソフトバンクモバイルは、「海外パケットし放題」の設定を簡単に行えるiPhone向けアプリを公開した。Androidスマートフォン向けはすでにリリースされている。 - KDDI、8月1日から「海外ダブル定額」対応エリアを拡大 利用可能エリアが114地域に
KDDIが、旅行中でも安心してパケット通信が利用できる「海外ダブル定額」の対象となる提携通信事業者の拡大を発表。利用可能エリアは114の国や地域となった。 - KDDIの「4G LTE」、ローミング時の「海外ダブル定額」に対応
KDDIは「4G LTE」が海外でのパケット通信が定額利用できる「海外ダブル定額」に対応すると発表した。ただし海外ではLTE通信ができず、3Gか2Gによる通信になる。 - ドコモ、海外のWi-Fiスポットを利用できる「WORLD WING Wi-Fi」
ドコモは、スマートフォンやタブレット、PCで海外の公衆無線LANスポットを利用できる「WORLD WING Wi-Fi」を7月1日から開始する。料金は「海外パケ・ホーダイ」の対象で、Wi-Fiを使っても上限額が変わらない。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.