「Atom x3/x5/x7」「XMM 7360」「セキュリティ」でIntelが挑む2つのモバイルトレンド:Mobile World Congress 2015(2/2 ページ)
ようやく登場した“SoFIA”世代Atomで、IntelはARMの牙城たる「低価格モバイルデバイス向けプロセッサ」市場に挑戦する。
下り最大450Mbpsを実現するCA対応LTEモデムも投入
SoFIAと並んでIntelにとって課題となっているのが、Infineon買収で獲得した3Gモデム関連ソリューションの拡販だ。Intelは、2014年に下り最大300MbpsのLTE カテゴリー6に対応したモデムチップ「XMM 7260」を発表しているが、MWC 2015のプレスカンファレンスでは、キャリアアグリゲーション(CA)で3つの周波数帯を同時に束ね、下り最大450Mpbsの通信に対応したXMM 7360を公開した。登場時期は2015年後半で、採用したデバイスは2016年以降に登場する見込みだ。
プロセッサやモデム以外のソリューションでは、最近同社が力を入れている3Dカメラの「RealSense」と、A4WPが推進するワイヤレス充電技術「Rezence」のデモを行った。また、1月の2015 International CESでもデモを行った「True Key」による複数の認証要素を組み合わせたセキュリティシステムや、Intel SecurityによるSamsung Galaxy S6とS6 Edgeのスマートフォン向けアンチマルウェア・ソリューションなどもアピールしている。
セキュリティ強化というと、利用が制限されたりパフォーマンスが低下したりといった不安を抱くユーザーが多いかもしれない。しかし、True Keyのように無駄なパスワード入力を省きつつ、簡単で素早いログインが可能な仕組みを提供することで、便利な方法で強力なセキュリティを実現できるようになる。PCと比較して外部に持ち出す機会や、盗難、紛失の危険性も高いモバイルデバイスにとって、セキュリティの強化は非常に重要な要素だといえるだろう。
関連キーワード
Atom | Intel | モデム | LTE(Long Term Evolution) | Atom x3 | セキュリティ | SoFIA | Mobile World Congress | Atom x5 | Atom x7 | Cherry Trail | 14nmプロセス | モバイルプロセッサ | Intel Security
関連記事
- 特集:Mobile World Congress 2015
- Intel、LTEモデムも統合した“SoFIA”世代と14ナノ“Cherry Trail”世代の「Atom x3/x5/x7」を正式発表
「x3」「x5」「x7」と3系統に分かれたAtomの新世代ラインアップが登場。その処理性能は最大で従来モデルの2倍に達する。 - Intel、新ブランド「Atom x3」「Atom x5」「Atom x7」を公開
その具体的な仕様は明らかになっていないが、ロードマップでは、「SoFIA」と「Cherry Trail」が控えている。 - スマホ/タブレットにも64ビットの波、IntelがMerrifield&Moorefield発表――下り300MbpsのLTE Advancedチップも
米Intelは、Mobile World Congress 2014に先立ち、新製品に関する記者説明会を開催。新Atomプロセッサーや下り300MpbsのLTE Advanced Cat 6に対応した新モデムチップなどを発表した。 - Intel、“Merrifiled”「Atom Z34XX」と“Moorefield”「Atom Z35XX」を発表
IntelがMWCで新世代アーキテクチャ採用のAtomプロセッサーを発表。また、4G LTE対応モデムチップと4G LTE-Advanced対応モデムチップも同時に発表した。 - タブレット市場に注力するIntelのモバイルプロセッサ戦略
Intelは“他社の3年先を行く”半導体製造技術でタブレット市場における影響力の拡大を目指す。同社のモバイルプロセッサ戦略をまとめた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.