法人向けポータブルHDDに求められる“大事な機能”って?:SOHO/中小企業に効く「ポータブルHDD」の選び方(第2回)(2/2 ページ)
USBバスパワーで駆動し、大容量データの持ち歩きに活躍するポータブルHDDの選び方を紹介する本連載の第2回目は、法人向けのポータブルHDDで求められる機能および製品を選ぶに当たって気を付けるべきポイントをチェックしていく。
一般的なポイントをまとめてチェック
ここまでは法人向けのポータブルHDDでとくに重要とされる機能について紹介してきた。ここからはソフトウェア暗号化モデルも含め、広い範囲でポータブルHDDを選ぶ場合に、気を付けるべきポイントについて見ていこう。
まずは容量だ。前回も触れたように、他のストレージ製品と比べた場合、ポータブルHDDの強みは容量の多さであり、少なくても500GB、一般的には1TBから2TBの容量を持ち歩くことができる。ただしデータ量が多くなればなるほど、不要なデータも入れたまま持ち歩くことが増え、盗難や紛失でデータが流出した場合の被害も大きくなる。やみくもに容量が大きいほうがよいわけではないことは、認識しておいたほうがよいだろう。
次に転送方法だ。大容量データを高速転送するために、USB 3.0対応は今や必須だ。普通にカタログベースで製品を選んでいけば、USB 3.0に対応していない製品を引き当てることはまずあり得ないが、流通ベースではそうでない可能性もあるので、念のため注意しておきたい。ちなみにUSB以外ではThunderbolt対応の製品もあるが、対応機器が限られることから実質的に個人ユースになるだろう。価格も割高であることがほとんどだ。
電源の要否(ようひ)もチェックしたいポイントだ。ポータブルHDDはUSBからの電源供給によって動作するため、データ転送と給電合わせて1本のUSBケーブルで済むが、ドライブの消費電力が大きい、USBポートの給電能力が低いなどのケースでは、ACアダプターや二股USBケーブルなどの追加電源が必要になることがある。どちらかというとポータブルHDDよりも利用環境側を改善すべき話ではあるが、過去に同種のトラブルに遭遇しているのであれば、これらオプションの電源が使える製品を選んでおいたほうが安全だろう。
本体サイズについては、個人向けの製品では薄型化が目覚ましいが、耐衝撃性能を重視している製品では、どうしても本体サイズは巨大になりがちだ。ただし、ケーブルを本体に収納する設計であるが故にサイズが大きくなっている製品もあるので、本体とケーブルのセットでどの程度かさばるのかをチェックすることをおすすめする。前述の電源が必要な場合はそれもプラスすべきだろう。
Mac対応の有無も意外なポイントの一つといえる。ハードウェアは対応しているが、添付のユーティリティソフトがWindows版のみであったり、暗号化機能はWindowsでしか使えなかったりする製品は多い。製品の仕様を見るとソフトウェアごとに動作環境が明記されているので、ソフトウェアによって実現されている機能で製品を選ぶ場合、購入前のチェックは欠かさないようにしてほしい。
→・SOHO/中小企業に効く「ポータブルHDD」の選び方(第3回):即戦力のポータブルHDDを選んでみた
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