Qualcomm、VR参照プラットフォーム「Snapdragon VR820」を発表
QualcommがVR HMDの参照プラットフォーム「Snapdragon VR820」を発表した。Snapdragon 820や視標追跡用カメラやセンサーを搭載し、スタンドアロンで利用できる。メーカー向け提供は第4四半期の予定だ。
米Qualcommは9月1日(現地時間)、スタンドアロン型VR HMD(仮想現実ヘッドマウントディスプレイ)の開発に向けた参照プラットフォーム「Snapdragon VR820」を発表した。
名前が示すように、同社のモバイル端末向けプロセッサ「Snapdragon 820」を搭載する他、統合視標追跡用カメラ2台、6DoF(3次元空間での動きの自由度)を実現するためのフロントフェイスカメラ2台、シースルーアプリ、マイク4個、各種センサーを搭載する。
PCやゲーム端末に接続しないで単体で使えるだけでなく、米Oculus VRの「Oculus Rift」のようなヘッドトラッキング用の外部センサーを設置する必要もない。解像度は片目1440×1440ピクセルで、360度の4K動画の再生が可能。表示レイテンシーは18ミリ秒以下という。
Snapdragon VR820は、Qualcommが中国の新興企業Goertekと共同開発した。サードパーティーメーカーは、同参照プラットフォームと「Snapdragon VR SDK」により、高性能なVR HMDを開発できるとしている。
Snapdragon VR820およびSDKは第4四半期(10〜12月)中に利用可能になり、製品はその後すぐに発売される見込みという。製品の価格帯については公式には発表されていないが、Qualcommは米The Vergeに対し、「ハイエンドタブレットと同じくらい」と語った。
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