Qualcomm、下り最大1GbpsのLTEモデムやウェアラブル向け「Snapdragon Wear」を発表
Qualcommが、下り最大1Gbpsの超高速通信を実現する「Snapdragon X16 LTEモデム」、ウェアラブル端末専用のチップセット「Snapdragon Wear」、Snapdragon 600と400シリーズの新製品を発表した。
Qualcommが2月11日(米国時間)、1Gbpsの通信を実現するLTEモデムと、ウェアラブル端末専用Snapdragon、Snapdragon 400〜600シリーズの新製品を発表した。
Snapdragon X16 LTEモデム
「Snapdragon X16 LTEモデム」は、業界初となる下り最大1Gbps(LTE Category 16)の通信をサポートする第6世代目のLTEモデムで、14ナノメートル FinFETプロセスを採用している。なお、上りの通信速度は最大150Mbps(LTE Category 13)。
下りの通信では20MHz幅の周波数を4つ束ねるキャリアアグリゲーションと256QAM(電波の変調方式の一種)、上りの通信では20MHz幅の周波数を2つ束ねるキャリアアグリゲーションと64QAMを利用する。また、国際的に免許が不要な周波数帯(アンライセンス周波数帯)である「LAA(Licensed Assisted Access)」もサポートしている。
Snapdragon X16 LTEモデムを搭載した製品は、2016年後半に発売される見込み。
Snapdragon Wear 2100
ウェアラブル向けの「Snapdragon Wear」も発表し、第1弾のチップセットとして「Snapdragon Wear 2100」を提供する。Snapdragon Wear 2100はBluetooth、Wi-Fi、LTE/3Gに対応しており、Snapdragon 400よりも30%小さいサイズ、25%少ない消費電力を実現。低消費電力のセンサーハブを搭載したことで、Snapdragon 400よりも高い精度のセンサーを利用できるという。
Snapdragon Wear 2100は現在出荷中。従来のSnapdragonは、65機種のウェアラブル端末に搭載されており、2016年はさらに50機種以上のSnapdragon搭載ウェアラブル端末の発売を予定している。
Snapdragon 625、435、425
ミッドレンジ〜エントリーモデルのSnapdragon 600と400シリーズの新製品として、Snapdragon 625、435、425を発表した。CPUはいずれも「ARM Cortex-A53 CPU」を採用しており、コア数は625と435が「8」、425が「4」。最大通信速度(下り/上り)は625が300Mbps/150Mbps、435が300Mbps/100Mbps、425が150Mbps/75Mbps。2016年中頃にサンプル出荷を開始し、2016年後半に搭載端末が発売される見込み。
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