街は回復するも、自作予算の青天井は止まらない:2023年のアキバまとめ【前編】(1/4 ページ)
コロナ禍が収まった電気街の様子は2019年以前に近くなったが、売れ筋パーツの価格はその頃から大きく上昇している。とりわけ目立つのはグラフィックスカードだ。前編はそこにスポットを当てて2023年を振り返る。
コロナ禍の影響は2022年時点で、かなり落ち着いた感があるが、2023年5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザウイルスと同じ5類に切り替わるなど、制度的にもより平常に近い状況に移行している。
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マスク率が減り、外国人観光客で賑わう電気街
街を行く人のマスク着用率も年初から春にかけては7割程度だったが、6月以降の猛暑を経て5割以下に低下していった。PCパーツショップの入り口には消毒用アルコールが年末時点でも置かれているが、レジ前の透明ビニールを撤去するショップも増えている。
下半期に入ると、外国人観光客の姿が目立つようになり、中央通りに複数台の観光用バスが横付けしている光景が当たり前にもなった。
町の往来は2019年以前とほぼ同じ様子に戻っているが、当時から大きく変わったものがある。自作PCを組む予算だ。
例えば、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店(当時/5月27日から「パソコン工房秋葉原本店」に名称変更)が2月に店頭に掲げていた「2023年度春Ver なる安今どきゲーミングPC」の見積もり構成は、GeForce RTX 3060搭載のグラフィックスカードやCore i5-13400Fの組み合わせで、各種セット割を利用した価格が16万4940円となっていた。同店は「DDR5メモリを使う構成にしました。今どきの構成でなるべく価格を抑えるとなると、これくらいが現実的ですね」と話していた。
他店でも、ゲーミングPCを組む本体のみの最低限の予算は16〜18万円とする声が多く、1年半ほどで底値が3万円ほど上がっている。当時、あるショップは「予算増の一番の理由はミドルレンジのグラフィックスカードですね。『とりあえず3〜4万円のカードで』という対象がなくなってしまいました」とこぼしていた。
GeForce RTX 3050カードなら4万円強まで切り詰められるが、「ゲーム用途ならRTX 3060以上」とするショップが多く、以降も最低限のラインは変わっておらず、逆に天井は大きく抜けた感がある。
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