立体での「映え」を意識する潮流が生まれた2023年:2023年のアキバまとめ【後編】(2/4 ページ)
1年を通して振り返ると、とりわけショップ内の様相が大きく変わったのはPCケース売り場かもしれない。10万円超のマザーボードが増え、96コアのCPUも登場した。年の瀬に2023年のアキバ自作街を振り返ろう。
秋から10万円超マザーが続々登場――Intel Coreの動向
2022年末から自作の主流プラットホームを形成していたIntelの第13世代Coreプロセッサシリーズは、年初にオーバークロック非対応モデルや消費電力を抑えた末尾にTがつくモデルが9種類加わった。
それに伴い、Intel H770やB760チップセットを搭載した比較的安価なマザーボードも各社が投入している。「Core i3-13100F」(当時2万2000円前後)と「B760M D2H DDR4」(当時1万7500円前後)といった、4万円以下の組み合わせも選べるようになった。
そこからトレンドが大きく変わるのは、秋に入ってからだ。10月17日、Core(第14世代)シリーズのうち、末尾にK/KFがつく6モデルの販売が始まり、ハイエンド志向のユーザーの選択肢が次世代にシフトしていった。
Core(第14世代)も従来のIntel 700シリーズチップセットに対応するが、第14世代に最適化したIntel Z790搭載マザーボードも同じタイミングで複数登場している。ハイエンド級CPUに合わせたマザーゆえに高価なモデルが多く、10月以降は売り場に10万円以上の値札がズラリと並ぶようになった。
当時、あるショップは「グラフィックスカードで既にマヒしていますが、マザーボードの価格も上を目指せばなかなかの領域に行っていますよね。それでいて、ちゃんと売れるのがすごい」と話していた。
なお、ワークステーション向けの新CPUも3月から4月にかけて登場している。「Xeon W-3400/W-2400」シリーズで、まずはX-2400シリーズが出回り始めた。追って上位のW-3400シリーズも登場したが、56コア112スレッドの最上位「Xeon w9-3495X」(バルク品)は約98万円の価格ながらも、すぐに街中で払底していた。
関連記事
- 街は回復するも、自作予算の青天井は止まらない
コロナ禍が収まった電気街の様子は2019年以前に近くなったが、売れ筋パーツの価格はその頃から大きく上昇している。とりわけ目立つのはグラフィックスカードだ。前編はそこにスポットを当てて2023年を振り返る。 - 落ち着かない価格、ヒットを続ける30万円のグラフィックスカード
2022年のアキバまとめ前編は、グラフィックスカードの動向を中心に振り返る。1年を通して価格と供給量が不安定な中、秋にはGeForce RTX 4090搭載カード、年末にはRadeon RX 7900 XTX搭載カードが登場した。そして、いつの間にかハイエンド級の価格感も変わっていた。 - コロナ禍の影響と子供連れが減ったアキバ自作街の1年
2022年の自作街を振り返ると、ここ3年で最もコロナ禍の影響が薄まったといえる。自作PCのプラットホームは1年を通してIntelが主流を担ったが、AMDも随所で存在感を放って市場を盛り上げた。 - 2021年のアキバ自作街は「警戒」に終始した
コロナ禍による対面営業の難しさと、半導体不足による慢性的な供給の不安定さ。そして、熱狂的なマイニングブームによる特定パーツの払底。1年を通して警戒すべきことが多かった2021年のアキバ自作街を振り返りたい。 - 曲面ガラス採用のピラーレスケース&スニーカー型PCがショップ店頭に登場
年末年始はPC一新の需要が高まるタイミングでもあり、それを見越して斬新なPCケースが並ぶ時期でもある。ピラーレスのPCケースも多彩なモデルから選べる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.