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木に裏配線、ダミーモジュールなど“自作PCの幅”が広がった2024年2024年のアキバまとめ【後編】(2/4 ページ)

意匠として木材を使用するPCケースが注目を集め、ケーブルを徹底的に隠す裏配線プロジェクトが話題となる一方で、ダミーモジュールが売れるなどの動きも見られた。2024年の自作PCトレンドは、案外見た目に集約されているかもしれない。

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PROJECT ZEROにBTF、Stealth Design――マザーベンダーが仕掛けた裏配線計画

 PCケースを含めた、マシン全体のコンセプトに新たな視点を投じたのが「裏配線」というキーワードだ。4月以降、複数のマザーボードベンダーが各種ケーブル接続を基板の裏側に回せるパーツを投入している。

 先陣を切ったのはMSIだ。4月下旬に自社の裏配線プロジェクト「PROJECT ZERO」に属するマザーボード2モデルと対応PCケースの販売を始めている。

 続いて、ASUS JAPANは同じく自社の「Back to The Future」(BTF)の対応マザーボードとPCケース、グラフィックスカードを一気に投入し、5月の大型連休前に間に合わせた。

パソコンSHOPアークに展示されたPROJECT ZEROのデモ機
4月下旬、パソコンSHOPアークに展示されたPROJECT ZEROのデモ機
4月末に登場したBTF対応のRTX 4090カード
4月末に登場したBTF対応のRTX 4090カード。接続にはBTF対応マザーボードが欠かせない。TSUKUMO eX.で撮影
BTFハイエンドケース「ROG Hyperion GR701 BTF Edition」
BTFハイエンドケース「ROG Hyperion GR701 BTF Edition」は5月半ばに登場した。オリオスペックで撮影

 その後、8月に入るとギガバイトからも自社の「Stealth Design」に対応したATXマザーボード「B650E AORUS STEALTH ICE」(4万8000円前後)が売り出された他、複数のプロジェクトの裏配線に対応するPCケースも、多数のメーカーから投入されるようになっている。

 また、水冷システムでも表から隠せるタイプが見られるようになった。CPUソケットのネジ穴を利用して、冷却液をマザーボードの裏側から循環させる Bitspowerのウォーターブロック「Block Summit Revo」シリーズ(Intel用/AMD用ともに5万円弱)や、天面固定に限定することでチューブ長を最小限としたLian Li Industrialの簡易水冷キット「HydroShift AIO」シリーズ(3万3000円前後〜)なども7月に販売が始まっている。

ギガバイトの裏配線マザー「B650E AORUS STEALTH ICE」。8月にパソコンSHOPアークで撮影
ギガバイトの裏配線マザー「B650E AORUS STEALTH ICE」。8月にパソコンSHOPアークで撮影
オリオスペックに入荷した「Block Summit Revo」シリーズ。7月に撮影
オリオスペックに入荷した「Block Summit Revo」シリーズ。7月に撮影
同じく7月に登場した「HydroShift AIO」シリーズ。オリオスペックで撮影
同じく7月に登場した「HydroShift AIO」シリーズ。オリオスペックで撮影

 1年を通して、ケーブルやチューブを見せない仕上げを目指せる選択肢は大いに広がった。ただ、ピラーレスや木製パネルと比べると需要はニッチにとどまる様子だ。

 あるショップは「裏配線はマザーボードベンダーごとに規格が異なりますし、何年先でも交換可能なパーツを入手できる保証がありません。仕上げは美しいけれど、カスタム性を犠牲にすることになるので、二の足を踏む人が多いところはありますね」と話していた。

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