木に裏配線、ダミーモジュールなど“自作PCの幅”が広がった2024年:2024年のアキバまとめ【後編】(3/4 ページ)
意匠として木材を使用するPCケースが注目を集め、ケーブルを徹底的に隠す裏配線プロジェクトが話題となる一方で、ダミーモジュールが売れるなどの動きも見られた。2024年の自作PCトレンドは、案外見た目に集約されているかもしれない。
NUCの復活にDeskMiniの盤石ヒット 活発だった小型ベアボーン&PC
完成形でマシンを見るなら、超小型を含む小型ベアボーン&PCのトレンドも見逃せない。
年明けは、超小型ベアボーンキットや完成PCの定番となっていた「Intel NUC」の不在が目立っていた。2023年7月にIntelが撤退して以来、事業を引き継いだASUSTek Computerから新製品が投入される動きがなく、Minisforumなど他ブランドが代替として見なされる時期が春まで続いた。
このNUC不在の状況が変わったのは5月末からだ。ASUS JAPANが「NUC 14 Pro Kit Tall」(7万2000円前後〜)と「NUC 13 Pro Kit Tall」(6万7000円前後〜)を投入し、自社ブランドとしてのNUCを始動させた。以来、産業用NUCも含めてラインアップを拡充させており、2024年12月時点ではIntel時代に近い状態で売り場に並んでいる。
中でも個人ユーザーに注目されたのは、8月上旬に登場したゲーミング仕様の完成品PC「ROG NUC」シリーズだ。Core Ultra 9-185HのCPUや、GeForce RTX 4070のGPUを搭載した上位の「ROG NUC 970」は35万6000円弱と高価な製品だが、発売直後に売り切れとなるショップもあった。
当時、パソコン工房 秋葉原パーツ館は「Intel時代もゲーミングモデルの“ドクロNUC”を求める人はいましたしね」と話していた。
その他、ASRockからもヒット作が売り出されている。まず4月には、200mm長までのグラフィックスカードも組み込める「DeskMeet X600」が3万7000円弱で登場した。その1カ月後の5月下旬には、小型ベアボーンの「DeskMini X600」が3万3000円弱で複数のショップに並び、特に後者は、初日から飛ぶように売れたという。いずれもSocket AM5に対応しており、Socket AM4対応の前作「DeskMeet X300」から約2年ぶり、「DeskMini X300」から約3年半ぶりの新作だった。
6月には、Intelプラットフォームの「DeskMini B760」と共にホワイトモデルも投入され、CPUを自分で選べる小型ベアボーンシリーズとして不動の人気を維持している。
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